
シャープレシオとトレイナーレシオとは?投資で使う基本指標を理解しよう
株や投資信託をするとき、成績が良いか悪いかを測るために「シャープレシオ」と「トレイナーレシオ」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
シャープレシオは、投資の「リスクに対してどれだけ効率よく利益が出ているか」を表す指標です。
つまり、どれだけ上手にリスクをとって利益を稼いでいるかを見ます。
一方でトレイナーレシオは、同じくリスクに対して利益がどれだけ出ているかを見るのですが、
特に「市場の動きに合わせたリスク(ベータ)」を基準にして評価します。
簡単に言うと、市場の影響をどのくらい受けているかを考えているのがトレイナーレシオです。
この2つはどちらもリスクに対するパフォーマンスを測る指標ですが、扱う「リスク」の意味が少し違うため、投資判断に役立つポイントも変わってきます。
シャープレシオの特徴と使い方
シャープレシオは「全リスク」を考える指標です。
ここでいう全リスクとは、投資対象の価格が平均からどのくらいブレるか(変動の大きさ)を示します。
例えば、株価がすごく上がったり下がったりするとリスクが大きいと言えます。
シャープレシオは、「超過リターン(投資の利益-無リスク金利)」を「標準偏差(リターンのブレの大きさ)」で割って計算されます。
値が大きいほど少ないリスクで高いリターンを出している良い投資先ということができます。
つまり、投資全体のボラティリティ(価格やリターンの揺れ)がどれだけ効率良く利益を生んでいるかを評価し、
リスクもリターンも総合的に見るときに便利な指標です。
ただし、相場全体の動きには拘わらず、純粋にその投資対象の値動きで判断します。
トレイナーレシオの特徴と使い方
トレイナーレシオは、リスクのうち市場リスク(ベータ)だけに注目した指標です。
ベータとは、市場全体の価格の動きに対して「どれだけ自分の投資が連動しているか」を示します。
トレイナーレシオは「超過リターン」を「ベータ」で割って計算します。
これにより、市場の動きに対してどれだけ効率よく利益を上げているかを知ることができます。
このため、市場の影響を受けるリスクだけを考えて、その中でどんなリターンを得ているかを分析したいときに使います。
つまり、市場に連動する投資(例えば株式市場全体に連動するファンド)を評価するのに向いています。
ただし、市場に関係ないリスク(たとえば企業の独自リスクなど)は見落とされるため、その点は注意が必要です。
シャープレシオとトレイナーレシオの違いを表で比較
どちらを使う?投資での使い分け方と注意点
実際の投資判断では、シャープレシオとトレイナーレシオ、それぞれの意味と対象を見ることが大切です。
例えば、株式市場全体の動きに連動する投資信託や株式ファンドの評価にはトレイナーレシオが便利です。
市場の影響を受けるリスク(ベータ)がポイントだからです。
反対に、株だけでなく債券など複数の金融商品を組み合わせたポートフォリオ全体のリスクまで含めて判断するときはシャープレシオが役立ちます。
価格の変動幅全体をとらえてリスクを評価するからです。
ただし、どちらの指標も万能ではありません。
リスクのとらえ方が違うため、必ずしも互いに高い値になるとは限らず、両方見比べて理解すると良いでしょう。
また、投資対象や目標に合わせてどちらを使うか決めるのがおすすめです。
よくわからない場合は、シャープレシオの方が使いやすく広く利用されています。
まとめ
今回はシャープレシオとトレイナーレシオの違いについて詳しく解説しました。
- シャープレシオは投資全体の価格変動(全リスク)に注目した指標
- トレイナーレシオは市場の影響を示すベータ(市場リスク)のみを考慮した指標
- 用途や投資対象に応じて使い分けが必要
投資を始めるときや比較するときは、それぞれの意味を理解して上手に活用しましょう。
とくに、リスクをどう認識するかで投資の考え方も変わってきますから、シンプルな指標でわかりやすく判断することがポイントです。
「トレイナーレシオ」のベータって、不思議な指標ですよね。市場の動きにどれだけ連動しているかを示すこのベータは、例えば株式が市場と同じ動きをすればベータは1、より大きく動けば1以上、小さく動けば1未満になります。これって、実は市場全体が大暴落したときに自分の持ってる株がどれぐらい影響を受けるかの予測にもなります。だから、投資家がリスクを考えるときはこのベータの数字をじっくり見るんですよ。市場の波に乗るタイプか独立して動くタイプかで戦略が変わるかも、なんて考えるのも面白いですね!