
「占有」と「占有権」の基本の違いについて解説
まずはじめに、「占有」と「占有権」の違いを理解するために、それぞれの意味を押さえましょう。占有とは、簡単に言うと「あるものを実際に自分が持っている状態」を指します。例えば、あなたが自分のカバンを持っているとき、そのカバンを「占有」していることになります。
一方で、占有権とは、「その物を占有する法律上の権利」のことです。つまり、単に物を持っているだけでなく、その持ち方が法律によって保護されている状態を意味します。
このように、占有は現実の物理的な状態、占有権はその状態を守る法律の権利という違いがあります。
初心者にとっては少し分かりづらいかもしれませんが、要は「持っている(占有)」ことと、「持っていることが認められている(占有権)」ことは違うのだと覚えておきましょう。
占有と占有権の違いを具体的に理解するためのポイント
ここではさらに具体的なポイントを挙げて、違いを深掘りします。
- 占有は事実的状況であること
占有とは、物を実際に握っている、使っているという事実的な状態を指します。これは法律が関係なくとも存在します。 - 占有権は法律的な権利
占有権は、その占有を守るために法律が認めている権利です。例えば、他人が勝手に物を奪えないように守ることができます。 - 占有と占有権は必ずしも一致しない
物を持っている=占有ですが、その占有に占有権が伴うとは限りません。たとえば物を盗んで持っている場合は占有はあるが占有権はありません。 - 占有権の取得方法
占有権は物を正当に取得したり裁判所の判断などで認められます。
この4つのポイントをおさえることで、占有と占有権の違いはもっと理解しやすくなります。
以下の表で比較してみると分かりやすいです。
項目 | 占有 | 占有権 |
---|---|---|
意味 | 物を実際に持っている状態 | 占有を法律上保護する権利 |
性質 | 事実状態(事実行為) | 法律上の権利 |
取得 | 物を物理的に持つだけで成立 | 正当な取得や裁判で認められることが必要 |
例 | 物を借りている、盗んでいる | 借りているものの所有者や正当な所有者 |
ピックアップ解説
今回は「占有権」に注目してみましょう。
占有権はただ物を持っている状態を守るだけじゃなく、法律によって不正に物を奪われないように守る役割もあります。
例えば、あなたが図書館で本を借りているとします。このとき本はあなたの手元にありますが、所有権は図書館にあります。ただし、借りている間はあなたがその本の占有権を持っていると考えられます。
だから他の人が勝手にその本を奪い取ることは法律違反になるのです。占有権があることで安心して物を借りたり使ったりできるんですね。
法律って難しい言葉に見えるけど、身近なものの持ち方を守るための決まりだと思うと案外わかりやすいですよ。
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