PCT出願とは何か？
PCT出願は「特許協力条約（Patent Cooperation Treaty）」に基づく国際特許出願の方法です。
これは一度の出願で複数の国で特許を取得するための手続きを簡単にできるシステムです。
手続きが国ごとにバラバラになるのを防ぎ、時間や費用を節約できるのが特徴です。
例えば日本からPCT出願をすると、指定した国で同時期に審査を受けることが可能となります。
ただし実際の特許権の取得は各国ごとに審査を経て決まるので注意が必要です。
パリルートとは何か？
パリルートは「パリ条約」に基づいた特許出願の方法で、
日本や他の加盟国で最初に特許を出願してから12ヶ月以内に他の国々に出願を行う方法です。
この期間内に出願すれば、最初の国の出願日を優先権日として他国の出願を認めてもらえます。
一つひとつの国で個別に出願し、独立した審査が進むのがポイントです。
例えば日本で特許出願してから12ヶ月以内にアメリカやヨーロッパで出願し、
それぞれの国で審査や権利付与が行われます。
PCT出願とパリルートの違いをわかりやすくまとめる
どちらも複数国で特許を取りたい時の方法ですが、手続きの進め方やタイミングに大きな違いがあります。
以下の表でそれぞれの特徴を比較してみましょう。
| ポイント | PCT出願 | パリルート |
|---|---|---|
| 出願の仕組み | 一度の国際出願で複数国を指定可能 | 最初に出願した国の後、12ヶ月以内に各国に個別出願 |
| 審査開始時期 | 国際調査があり、実際の審査は各国で後から | 各国で出願後すぐに審査手続き開始 |
| 費用のタイミング | 出願時の費用をまとめやすいが、後で各国費用発生 | 各国に個別に費用がかかりタイミングもバラバラ |
| 権利獲得の確定 | 各国の審査結果に依存 | 同じく各国での審査結果による |
| メリット | 手続きの一括管理、提出準備の猶予が長い | 早期に各国で審査を開始できる |
| デメリット | 審査が始まるまで時間がかかる場合もある | 出願や費用負担が複数回必要で手間が多い |
どちらを選ぶべき？
特許取得を考える際には目的や資金、スケジュールに合わせて出願方法を選ぶことが重要です。
たとえば
- 資金が限られていて一括管理したい場合はPCT出願が向いています。
- 早く各国で特許権を確定させたい場合はパリルートを選ぶことも多いです。
さらに、PCT出願からパリルートに切り替えることも可能なので、
状況に応じて柔軟に対応しましょう。
特許は国ごとのルールや手続きが異なるため、専門家のアドバイスを受けながら慎重に検討することをおすすめします。
これらの違いを理解することで、より良い特許戦略が立てられます。
ぜひ今回の解説を参考にしてくださいね。
「PCT出願」の面白いポイントの一つは、『国際調査』という仕組みがあることです。これは世界中の特許庁が一斉に出願内容をチェックして、似た技術がすでにあるかどうか調べる作業です。これにより、後の各国での審査がスムーズになるのですが、実はこの調査機関の選び方によって調査の早さや詳しさが変わることもあります。だからPCT出願を考えるときは、少しだけ“どこに調査を任せるか”もポイントになるんですよ。
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