
アクセス制御とアクセス制限とは何か?
私たちがインターネットや社内ネットワークを利用する時、情報やシステムへのアクセスを守るための仕組みがあります。それがアクセス制御とアクセス制限です。
どちらも聞いたことはあっても、違いがよくわからないという方も多いでしょう。
アクセス制御はユーザーやシステムがどのように情報にアクセスできるかのルールや方法そのものであり、アクセス制限はそのルールを使って「アクセスを禁止」したり「制限」した行為を指します。
つまりアクセス制御は安全にアクセスさせるための計画や設定で、アクセス制限はその中でアクセスを制限する具体的な措置や対応とも言えます。
この違いを明確に理解するために、次の章で詳しく説明します。
アクセス制御の仕組みとその役割
アクセス制御とは、誰が、どこまで情報やシステムにアクセスできるかを決めるルールや仕組みです。例えば、パソコンのパスワードを利用してログインする時には、その人本人だけが使えるようにアクセス制御が働いています。
アクセス制御は大きく分けて3種類あります。
- ・強制アクセス制御(MAC:Mandatory Access Control)
OSや管理者が強力にルールを決めてアクセスを管理します。主に軍事や重要な施設で使います。 - ・任意アクセス制御(DAC:Discretionary Access Control)
ユーザー自身がファイルなどへのアクセス権を自由に設定できます。一般的なパソコンなどで多い方式です。 - ・役割ベースアクセス制御(RBAC:Role-Based Access Control)
職種や部署といった役割に応じて権限を割り当てる仕組みで、企業のシステム管理でよく使われます。
アクセス制御があることで、情報を不正に見たり変更したりする のを防げるため、セキュリティの重要な柱になっています。
アクセス制限の具体例と違いを理解しよう
アクセス制限はアクセス制御のルールに従って行われる「制限措置」や「禁止行為」です。例えば、特定の時間帯だけシステムを使えなくしたり、特定のIPアドレスからの接続をブロックしたりすることがアクセス制限にあたります。
アクセス制限の例をいくつか挙げてみましょう。
- ・ネットワークのファイアウォールで特定のサイトやサービスにアクセスできないようにする
- ・ユーザーがパスワードを8回以上間違えたらアカウントをロックする
- ・特定の部署だけがあるデータベースにアクセスできる設定にする
このようにアクセス制限は安全を確保するために重要です。しかしアクセス制御がなければ、制限をかける基準や方法そのものがありません。
つまりアクセス制御はルール作り、アクセス制限はルールの適用と考えるとわかりやすいです。
アクセス制御とアクセス制限の違いをまとめた表
項目 | アクセス制御 | アクセス制限 |
---|---|---|
意味 | 誰が何にアクセスできるかを決めるルールや仕組み | アクセスを禁止・制限する具体的な措置や行為 |
役割 | アクセスのルール作り | ルールに基づいた制限の実施 |
例 | ユーザーごとに権限を設定する、役割ベースの管理 | 特定IPからの通信を遮断、アカウントロック |
目的 | 安全にアクセスさせるための設計 | 不正アクセスや情報漏えいを防ぐ対応 |
まとめ:おさえておきたいポイント
アクセス制御とアクセス制限は混同しやすいですが、アクセス制御はアクセスするためのルールや方法の設計全体を指し、アクセス制限はそのルールを使ってアクセスを制限・阻止する具体的な行動です。
どちらも情報やシステムの安全を守るために欠かせない存在です。
これらの仕組みを知ることは、ITやセキュリティを学ぶうえで大切な基礎になりますので、ぜひ覚えておきましょう。
今回の内容が皆さんの理解の助けになれば幸いです。
「アクセス制御」という言葉は一見難しく聞こえますが、実は身近なところで使われています。例えば学校の教室に入るとき、先生が誰が入れるか決めているのも一種のアクセス制御です。友達だけが入れる特別なグループチャットも同じ。要は『誰に許可を出すか決めるルール』なんです。こう考えるとアクセス制御って意外と簡単ですよね。実生活にも置き換えられるので、セキュリティの基本として覚えておくと便利です。
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