
「統合開発環境」と「開発環境」の意味とは?
ソフトウェアを作るときに使う言葉の中に「統合開発環境(IDE)」と「開発環境」というものがあります。
でもこの2つの言葉は似ているので、初心者の人には違いがわかりにくいこともあります。
まずは簡単に説明しましょう。『開発環境』とは、ソフトやプログラムを作るために用意された様々な道具やソフトの集まりのことを言います。パソコンのOSやコンパイラ、エディタ、デバッガーなど全部含まれます。
一方、『統合開発環境(IDE)』はその開発環境の中の一つのソフトウェアです。プログラムを書くためにエディタ、コードをチェックするツール、デバッグするための機能などが一つにまとまっている便利なソフトのことを指します。
簡単に言えば、開発環境はプログラムを作るための全体の「環境」で、統合開発環境はその中の作業を便利にするための「ひとつのソフトウェア」です。
開発環境と統合開発環境の違いを詳しく解説
では、具体的にどんな違いがあるのか見ていきましょう。
まず、開発環境はプログラムを作るためのハードウェアやソフトウェア全体を指します。例としては、パソコンの種類、OS(WindowsやMacなど)、プログラミング言語のコンパイラやインタプリタ、エディタ、デバッガー、バージョン管理ツールなどが含まれます。これらをすべてひっくるめて「開発環境」と呼びます。
一方、統合開発環境(IDE)はこれらの中のいくつかの機能をまとめたソフトウェアです。例えば、コードを書くためのエディタ、自動補完機能、コードの色分け、簡単にデバッグができるツールなどが一つのアプリの中に入っています。
代表的なIDEには「Visual Studio」「Eclipse」「Xcode」などがあります。
つまり、開発環境はプログラムを作るための全体の仕組み・環境であり、統合開発環境はその環境の中で作業を便利にするためのソフトウェアという関係です。
開発環境と統合開発環境の主な違いを表でまとめると
ポイント | 開発環境 | 統合開発環境(IDE) |
---|---|---|
意味 | プログラムを作るための全体の仕組みや道具の集合体 | プログラムを書くためのツールが一つにまとまったソフトウェア |
内容 | OS、コンパイラ、エディタ、デバッガー、ツールなど全部含む | エディタ、デバッガー、コンパイラをまとめて使いやすくしたソフトウェア |
例 | Windows PC + C言語コンパイラ + エディタ + デバッガーなど | Visual Studio、Eclipse、Xcodeなど |
役割 | プログラムを作るための土台や環境を整える | コーディングやテストを効率よく行うツール |
統合開発環境(IDE)では、コードの自動補完機能がよく話題になります。これはプログラミング中に文字を打ち始めると、続きのコードや関数名を予測して表示してくれる機能です。
この機能があると、コードを書くスピードが上がり、ミスも減らせるので、とても便利です。
初心者にとっては、自分が何を書こうとしているのかを教えてくれる先生のような存在にもなりますね。
また、この自動補完にはAIを使った最新技術もあり、将来はもっと賢くて柔軟な支援が受けられるようになるでしょう。
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