
合意解約と合意解除の意味と違いをわかりやすく解説
契約を途中で終わらせたいときに耳にすることが多い「合意解約」と「合意解除」。
これらは似たような言葉ですが法律上は意味が異なり、適用される状況も違います。
まず「合意解約」とは、契約の当事者全員が同意して将来に向けて契約関係を終わらせることを指します。
例えば賃貸契約を途中でやめたい場合、貸主と借主がお互いの同意のもとで契約を終わらせるケースです。
一方、「合意解除」は契約を最初からなかったことにすることで、契約が成立しなかったかのように契約の効果を消します。
これにより、契約が結ばれた際に受け取った物やお金を返す必要があります。
つまり簡単に言うと、「合意解約」はこれから先の契約を終わらせる、合意解除は過去に遡って契約をなかったことにする違いがあります。
具体例で理解!合意解約と合意解除の違い
よりイメージしやすいように具体例を紹介します。
合意解約の例:
会社が従業員と雇用契約を結んでいたが、双方の合意で早く辞めることにした場合。
このとき合意解約をすると、契約期間中でも将来の働く義務や報酬の支払いなどをやめられ、契約は終了します。
合意解除の例:
中古車の売買契約を結んだが、譲渡する車に重大な欠陥があったことで双方合意して契約を解除すると、車とお金を元に戻して、契約開始からなかったことにします。
こうした違いにより法律上の処理も異なるため、双方にとってトラブルを減らすためにも区別を知っておくことが重要です。
合意解約と合意解除の法的なポイントまとめ
項目 | 合意解約 | 合意解除 |
---|---|---|
契約の効力 | 将来に向けて契約を終了 | 契約成立時に遡り契約を無効にする |
契約の目的物や金銭 | 契約終了後のやりとり不要が普通 | 既に渡した物や金銭は原状回復する必要あり |
適用場面 | 長期契約の途中で解消 | 契約自体に問題があり調整したいとき |
結果 | 今後の契約関係を終わらせる | 契約がなかったかのように扱う |
また契約には法律知識が必要であるため、合意解約・合意解除の際は専門家や弁護士に相談することがおすすめです。
トラブル防止には、契約書に条件を書面で明記することも大切です。
まとめ
合意解約と合意解除は似ているようで内容も法的効果も大きく異なるものです。
契約をやめたいと考えたときに誤って処理すると後でトラブルになることもあります。
それぞれの仕組みと違いを理解し、必要に応じて専門家に相談しながら手続きを進めることが大切です。
この記事で違いを押さえて、契約トラブルを防ぎましょう。
合意解除の面白いところは、契約がまるで“なかったこと”になることです。
例えば、車を売買して、あとで重大な問題が見つかった場合、合意解除をすると、お金を返して車も戻す。このとき、初めから契約が存在しなかったかのように扱うのです。
この「時間をさかのぼって契約をなかったことにする」感覚は法律ならではの特別なルールで、普段の生活ではなかなか体験できない面白いポイントですね。
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