
買付証明書と購入申込書の基本的な違いとは?
買付証明書と購入申込書は、どちらも不動産取引の場で使われる書類ですが、役割や意味合いが大きく違います。
買付証明書は、買主が「この物件を買いたい」という意思表示の証明書です。買付証明書を提出することで、売主に購入の意思を正式に伝えることができます。通常、売主側が複数の買主から申し込みを受けるときに比較する材料として使われ、契約の前段階の重要な書類となります。
一方、購入申込書は買主が実際に物件の購入を申し込むための書類で、買主の情報や購入希望条件、価格、支払い方法などが記載されています。この申込書は買付証明書よりも詳しい条件が書かれていることが多く、具体的な取引条件の提示に使われます。
つまり、買付証明書は購入の意志を表す書類、購入申込書はより具体的な購入申込みの内容を示す書類という違いです。
買付証明書と購入申込書の役割と効果の違い
買付証明書はその名前の通り、「買付(かいつけ)」つまり買う意志を証明するものです。
この書類を提出すると、売主は買主の購入意志を認識しやすくなり、交渉の土台を作ることができます。しかし、買付証明書自体に法的拘束力は薄く、契約が成立するわけではありません。
一方、購入申込書は、販売価格や支払い条件などを具体的に示して申し込みを行うため、勝手に修正したり取り消したりすることは難しい場合が多いです。
申込書に基づいた交渉で契約内容が決まれば、契約書が締結されます。
このように、買付証明書は取引開始の意思表明に近く、購入申込書はより具体的な申し込みで、次の契約に向けて実質的に動くものと考えられています。
買付証明書と購入申込書の主な記載内容の違いを表で比較
項目 | 買付証明書 | 購入申込書 |
---|---|---|
目的 | 購入意思の表明 | 具体的な購入申し込み |
法的拘束力 | 基本的に弱い | 条件次第で拘束力あり |
記載内容 | 物件名、価格、購入希望の意思 | 物件名、価格、支払い方法、引き渡し時期など詳細 |
提出タイミング | 契約交渉開始時 | 交渉の進展後や契約手続き前 |
効果 | 売主への購入意思の示唆 | 契約締結に向けた具体的申し込み |
このように、買付証明書は交渉のスタートラインで使われる意思表示の書類であるのに対し、購入申込書は注意深く条件を提示して契約に近づける重要な書類なのです。
買付証明書と購入申込書の取り扱い時の注意点
買付証明書は法的拘束力が弱いとはいえ、提出後は相手側の反応や状況をしっかり確認しましょう。場合によっては複数の買付証明書が出されることもあり、売主がどの相手と交渉するかを選ぶ材料になります。
購入申込書に関しては、一度提出すると内容の変更が難しい場合もあるため、金額や支払い方法、引き渡しの時期などを慎重に確認してから提出することが重要です。
いずれにしても、不動産取引は大きなお金が動くため、専門家(不動産業者や弁護士)に相談しながら書類を作成・提出することをおすすめします。
購入希望者は自分の意思をはっきり伝えつつ、相手の立場も理解して適切な書類を選ぶことが大切です。
買付証明書って聞くと、何となく難しそうに感じますよね。でも実は、これは「この物件を買いたい!」という気持ちを売主さんに伝えるためのメッセージカードみたいなものなんです。正式な契約ではないから、まだ安心していいんだと考える人もいますが、一度提出すると真剣に購入を考えていると見なされることも。だから、使い方次第では、思いがけない交渉が始まることもありますよ。
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