
スプレッドとは何か?
まずはスプレッドについて説明します。スプレッドは、金融取引の世界でよく使われる言葉で、簡単に言うと「買う値段と売る値段の差」のことです。たとえば、あなたが外国の通貨を買いたい時、売り手が提示する価格と買い手が求める価格には少しのズレがあります。この差がスプレッドです。
スプレッドは実質的な取引コストとして働きます。つまり、スプレッドが大きいと、その分だけ余計にお金がかかることになります。そのため、トレーダーはスプレッドが狭い(小さい)取引所やタイミングを選ぶことが重要です。スプレッドは通常、銘柄や時間帯、マーケットの流動性によって変わります。
例えば、株式やFXの取引でスプレッドが5銭(0.05円)だと、購入直後に5銭分の損をしている計算になります。このようにスプレッドは取引時に必ず意識すべきコストです。
スリッページとは何か?
次にスリッページについて解説しましょう。スリッページとは、注文した価格と実際に約定(取引が成立)した価格のズレのことを言います。
たとえば、ある価格で買いたいと思って注文を出しても、市場の状況が変わってしまい、実際には違う価格で約定することがあります。この価格差がスリッページです。
スリッページは市場が急に動いたり、注文量が多すぎて売り手や買い手が足りない時に起こりやすいです。また、高速取引や短期売買の世界では特に問題になることがあります。
スリッページは予測が難しく、時には大きな損失の原因になることがあるので注意が必要です。ただし、良い方向のスリッページもあり、注文より有利な価格で約定する場合もあります。
スプレッドとスリッページの違いを表で比較
ポイント | スプレッド | スリッページ |
---|---|---|
意味 | 買値と売値の差 | 注文価格と約定価格の差 |
発生タイミング | 常に存在し常にコストとなる | 注文が約定する時に価格が変動した場合 |
コントロール | 業者によって変わるが大体一定 | 市場状況によって変動し予測が難しい |
影響 | 取引コストとして必ず発生 | 予期しない損失や利益の原因 |
例 | FXの買値1.1000、売値1.1002の差0.0002(2ピップス) | 注文価格1.1000、約定価格1.1005の5ピップスのズレ |
なぜスプレッドとスリッページを理解することが大切か?
スプレッドとスリッページは、どちらも取引をする上で意識すべき隠れたコストです。これを知らずに取引すると、思わぬ損失を招くことがあります。
投資初心者が、例えばスプレッドの幅が大きい業者を選ぶと、知らぬ間にコストがかさんでしまいます。また、スリッページが頻発する市場や時間帯に取引をすれば、注文通りの価格で約定しないリスクが高まります。
正しい知識を持って取引環境を選び、注文方法を工夫すれば、これらのコストを減らせる可能性があります。たとえばリミット注文や成行注文の使い分け、流動性の高い時間帯に取引することなどです。
金融市場で成功したいなら、スプレッドとスリッページの違いをしっかり理解し、賢くトレードしましょう。
スリッページって聞くとなんだか避けたい現象と思いがちだけど、実は良い方向に働くこともあるんだよね。例えば、注文した価格よりも安く買えたり高く売れたりすると、これもスリッページの一種。悪いことばかりじゃないけど、予測が難しいから注意が必要なんだ。