
売買契約書と請負契約書とは?基本の違いを理解しよう
契約書にはさまざまな種類がありますが、その中でもよく似ているのが売買契約書と請負契約書です。
売買契約書は、物や商品を売買することを約束する書類。たとえば、新しいスマホを買うときに交わす契約がこれにあたります。
一方、請負契約書は、仕事や作業を完成させることを頼む契約書です。たとえば、おうちの修理やウェブサイトの作成をお願いするときに使います。
つまり、売買契約は「モノのやり取り」
請負契約は「仕事やサービスのやり取り」と覚えておくとわかりやすいです。
この基本的な違いがわかれば、どんなときにどちらの契約書を使うのか判断しやすくなります。
売買契約書と請負契約書の特徴を詳しく比較!
契約内容や責任範囲の違いも解説
次に、売買契約書と請負契約書の特徴を具体的に見ていきます。
売買契約書の特徴:
- 売り手は商品を渡す義務がある
(例:本や家具などの物品) - 買い手は代金を支払う義務がある
- 契約が成立すると物の所有権が移る
- 商品に欠陥があった場合、瑕疵担保責任が発生する
請負契約書の特徴:
- 請負人は仕事やサービスを完成させる義務がある
(例:建築工事やデザイン制作) - 注文者は成果物に対して報酬を支払う義務がある
- 成果物に問題があった場合、請負人は修正や損害賠償を求められる可能性がある
- 仕事の完成が契約の目的であり、所有権は成果物ができた後に移る
このように売買はモノの受け渡しがメイン、請負は仕事の完成がメインである点が大きな違いです。
なお契約書の取り扱いでは、どちらも内容を詳しく記載し契約成立の証明を残すことが重要です。
売買契約書と請負契約書の違いを表で整理!契約トラブル回避に役立つポイント
これまでの説明をわかりやすくまとめた表を紹介します。
項目 | 売買契約書 | 請負契約書 |
---|---|---|
契約内容 | 商品の売買 | 仕事やサービスの完成 |
目的物 | 具体的な物品 | 成果物(物・サービス) |
所有権の移転 | 契約成立時または引渡時 | 仕事完成後に移転 |
報酬の支払い | 商品の代金 | 成果物に対する報酬 |
主な責任 | 瑕疵担保責任(欠陥補償) | 契約不履行や不完全履行への対応 |
この表を参考に、契約書の内容があいまいにならないようしっかり確認しましょう。
もし商品の売買であれば売買契約書を、仕事を依頼する場合は請負契約書を用いるのが基本です。
契約トラブルを防ぐために、どちらの契約で何を約束しているのか理解し納得した上でサインすることが大切です。
ピックアップ解説
請負契約書についてちょっと面白い話をしましょう。請負契約は、単に『仕事を頼む』というよりも、『仕事の完成を約束する』契約なんです。たとえばウェブサイトを作る請負契約では、完成したサイトが納品されるまでお金が支払われないことも多いです。これは、仕事の結果物を重視しているから。つまり、頼んだ側は、途中の進捗よりも出来上がった成果に注目しているわけです。仕事の種類によっては報酬や納期が厳密に定められていることも多く、請負契約ならではの特徴と言えます。契約のシステムも奥が深いですね!
次の記事: J-SOXと会社法の違いをわかりやすく解説!初心者にもおすすめ »