
履歴事項全部証明書と登記簿抄本の基本的な違いとは?
会社や法人の登記情報を調べるときに、よく「履歴事項全部証明書」と「登記簿抄本」という言葉を聞きますね。これらはどちらも登記に関する証明書ですが、それぞれの性質や使いどころには違いがあります。まずは基本的な違いについてわかりやすく説明していきましょう。
履歴事項全部証明書は、会社の現在の情報に加えて過去の情報も含んだ詳細な証明書です。つまり、会社の設立から現在までどんな変更があったかをすべて確認できるものです。一方、登記簿抄本は、現在の会社の情報だけを抜粋して記載した証明書で、簡単に言えば「今の状態だけを知りたいとき」に使います。
このように履歴事項全部証明書は会社の歴史まで含む証明書、登記簿抄本は現在の重要事項だけを記載した証明書と覚えることができます。
それぞれの証明書の用途と利用シーン
では、具体的にどのような場面でこれらの証明書を使い分けるのかをみてみましょう。
履歴事項全部証明書は、会社の設立日や住所、役員の変遷、資本金の増減など過去から現在までの全記録を確認したい場合に使われます。例えば、会社の信用調査や取引先の信頼性を詳しく調べたいときに便利です。
一方、登記簿抄本は、主に現在の会社の状況を簡単に知りたいときに使われます。たとえば、会社が今どんな住所でどんな代表者がいるのかだけ分かれば十分なときに利用されます。また、登記情報の提出が求められる申請や手続きの際にも使われます。
このように、詳細に調べたいなら履歴事項全部証明書、手軽に今の情報を確認したいなら登記簿抄本という選び方が基本です。
履歴事項全部証明書と登記簿抄本の内容比較表
証明書の種類 | 内容 | 掲載情報 | 用途 | 発行費用 |
---|---|---|---|---|
履歴事項全部証明書 | 会社の過去から現在までのすべての登記事項 | 設立日、役員の変更、資本金の増減など全履歴 | 信用調査、詳細確認、重要な取引時 | やや高め(約600円前後) |
登記簿抄本 | 現在の重要な登記事項のみ | 現住所、代表者、資本金など最新情報 | 簡易な確認、申請書類の添付 | 比較的安い(約400円前後) |
まとめ:どちらをいつ使うべき?
「履歴事項全部証明書」と「登記簿抄本」は一見似ていますが、含まれる情報の範囲と使いどころがはっきり違います。
・履歴事項全部証明書は、会社のこれまでの変化や履歴をチェックしたい場合
・登記簿抄本は、現在の会社の基本情報だけを知りたい場合
これが基本の使い分けです。
申請先や目的に応じてどちらを取得するか判断しましょう。難しく考えずに、この違いを知っておくことで必要な時にスムーズに書類を取得できます。
この記事で中学生でもわかるように解説しましたので、ぜひ参考にしてください。会社に関する情報を調べるときの助けになれば嬉しいです。
登記簿抄本って聞くと「抄本(しょうほん)」という言葉が難しく感じる人も多いです。でも実は「抄本」とは「抜き出した部分」という意味で、まるごとの書類の中から必要な部分だけを切り取ったコピーみたいなものだと思ってください。会社の住所や代表者の名前など、いま必要な部分だけ知りたいときに使う、便利な証明書なんです。だからあえて全部じゃなくて「抄本」という名前がついているんですよね。