
TBM工法とシールド工法の基本とは?
トンネルを掘る工法には様々な方法がありますが、TBM工法(トンネルボーリングマシン工法)とシールド工法は特によく使われる技術です。
まず、TBM工法は掘削機械の先端に丸いドリルのような掘削刀を備え、地下を掘り進めながらトンネルを一気に掘り進める方法です。
一方、シールド工法は、掘削機械の前方に覆い(シールド)を設置しながら掘削を行うため、地盤がゆるい場所でも崩れにくく安全に掘り進める特徴があります。
どちらも地下トンネルの掘削に使われる技術で、機械を使って地中を掘る点は共通していますが、構造や使い方、適応する地質で違いがあります。
ここからは、両工法をさらに詳しく分かりやすく見ていきましょう。
TBM工法とシールド工法の違いとは?
1. 機械の構造
TBM工法では、専用の掘削機械(TBM)を使い、掘削盤が地盤を回転して掘り進めます。
掘削後は機械がトンネル断面の形に合ったセグメントを設置してトンネルの壁を作ります。
シールド工法では、掘削機械の周りをシールドと呼ばれる円筒形の外装で覆い、地盤の崩壊を防ぎます。
掘削装置はシールド内にあり、掘り出した土を機械後方に運びながら掘削し、同時にトンネルの壁も設置していきます。
2. 適用地盤の違い
TBM工法は比較的硬い岩盤や土質に適していて、長い距離のトンネル掘削に向いています。
ただし地盤が非常に軟弱な場合、掘削時に崩壊が起きるリスクがあります。
シールド工法は軟弱地盤や湧水の多い地点などで活躍します。
シールドが地盤を支えながら掘削するので、安全に掘り進められます。
3. 工期やコストの違い
TBM工法は機械の性能によって高速で掘進が可能ですが、機械の準備や運搬に時間と費用がかかります。
シールド工法は安全や地盤の安定性を重視するため施工が慎重で、現場の状況に応じて工期が延びる場合があります。
一般的には、現場の地質条件によってどちらを使うか判断されます。
TBM工法とシールド工法の比較表
ポイント | TBM工法 | シールド工法 |
---|---|---|
適用地盤 | 硬い岩盤や良好な土質 | 軟弱地盤や湧水地帯 |
掘削機構 | 掘削盤が回転して掘る | シールドで覆いながら掘る |
安全性 | 堅い地盤で安全 | 軟弱地盤でも崩壊防止 |
工期 | 速いが準備時間が必要 | やや慎重で時間がかかる |
コスト | 機械費用が高い | 施工管理費用が多め |
まとめ:どちらを選ぶ?
TBM工法は硬い地盤で効率よく長距離トンネルを掘るのに適した方法です。
そのため、新幹線や高速道路の長いトンネルなどで多く使われます。
シールド工法は地盤の崩壊を防ぎ安全に掘進できるため、都市部の軟弱な地盤や地下鉄工事でよく用いられます。
つまり、地盤の性質や工事の場所・条件によって、TBM工法とシールド工法は使い分けられているのです。
どちらの工法も高い技術が必要で、安全のための綿密な計画が重要です。
トンネル工事を見る時は、それぞれの特徴を知って工程を見守るとより楽しくなりますよ!
今回はTBM工法とシールド工法の違いについて解説しましたが、実は『TBM』という言葉自体が重厚な機械のイメージを持たれることが多いです。TBMとはトンネルボーリングマシンの略で、その巨大な機械は地下を高精度で掘り進めるロボットのような存在です。昔は人力や爆破で掘ることも多かったですが、現在ではTBMの滑らかな掘削でトンネル工事が格段に安全かつ高速になっています。こうした機械技術の進歩が未来のインフラ整備に不可欠なのですね。
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