
揚水発電と水力発電の基本的な違いとは?
まずは揚水発電と水力発電の基本的な仕組みの違いについて説明します。
水力発電とは、川やダムから流れる水の力を利用して発電する方法です。水の落差により発生したエネルギーを水車(タービン)が回し、その回転を使って発電機が電気を作ります。
一方、揚水発電は、電気が余っている時に水を上の貯水池にくみ上げてためておき、電気が不足するときにその水を下の貯水池に落として発電します。
つまり、水力発電は自然の流れの水で常に発電するのに対し、揚水発電は必要に応じて水を動かして発電する仕組みなのです。
揚水発電と水力発電の仕組みの違いを詳しく解説
では、もう少し詳しくそれぞれの仕組みを見ていきましょう。
水力発電は、豊かな川の流れやダムから水を一方通行で流し、タービンを回すことで常に電気を作り続けます。自然のエネルギーを直接使うため、発電量は水量や流れの強さに左右されます。
一方、揚水発電は、まず夜間や電力需要が少ないときに、余った電気を使ってポンプで水を下の貯水池から上の貯水池へくみ上げます。
その後、昼間や電力使用が多い時にその水を落としてタービンを回し、発電します。
このように、揚水発電は電気の貯蔵の役割も担っているため、電力の安定供給に非常に重要な役割を果たしています。
メリット・デメリットを比較!どちらが優れている?
それぞれの特徴を理解すると、適材適所で使い分けられている理由が分かります。
項目 | 揚水発電 | 水力発電 |
---|---|---|
電気の安定供給 | 高い(蓄電機能を持つ) | 変動あり(水量次第) |
設置コスト | 高い(上下に大きな貯水池が必要) | 比較的低め |
環境影響 | 大きい(水の往復移動や景観問題) | 場所によるが自然流れ中心で比較的少ない |
発電の即応性 | 高い(必要に応じて電気供給可能) | 低い(自然の流れに依存) |
こうした理由から、大量の電気を安定的に供給するためには揚水発電が活躍し、自然資源豊かな場所では水力発電が多く利用されます。
まとめ:揚水発電と水力発電は役割や仕組みが違う大切な発電方法
今回の違いをまとめると、
- 水力発電は自然の水流で連続的に電気を作る発電方法
- 揚水発電は必要に応じて水を上下に動かして電気を蓄えたり作ったりする方法
どちらも再生可能エネルギーであり、地球環境に優しい発電方式です。
これからのエネルギー問題を考えるうえで、両者の特徴を理解し、バランスよく活用していくことが大切と言えるでしょう。
揚水発電でおもしろいのは、実は"巨大なバッテリー"のような役割を持っているという点です。余った電気で水をくみ上げるので一見無駄に思えますが、このプロセスは必要な時にすぐに電気を作り出せるようエネルギーをためているのです。まるで水を使った巨大な充電池みたいですね。電気の需要が急増する時間帯にも電力をすぐに供給できるため、とても重要なエネルギーシステムなんです。
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