
天然ガスとは?
天然ガスは、地球の地下にある天然のガス資源で、主にメタンという成分からできています。火をつけると燃える性質があり、家庭や工場でのエネルギー源として広く使われています。 そのままの状態では気体で、温度や圧力によって体積が変化します。
天然ガスは石油や石炭と同じように化石燃料のひとつで、化石が長い年月をかけて変化してできました。
気体のままパイプラインで運ばれることが多いですが、長距離や海を越えるときは取り扱いが難しいこともあります。
この天然ガスは燃焼時に二酸化炭素を排出しますが、石炭や石油よりもクリーンなエネルギーとして注目されています。
液化天然ガス(LNG)とは?
液化天然ガス(LNG)は、天然ガスを超低温(約マイナス162度)に冷やして液体にしたものです。液化することで体積が約600分の1に減り、運びやすくなるのが特徴です。
この状態にすると大型の船や専用タンクで長距離の輸送が可能になり、ガス管がない地域でも天然ガスを利用できるようになります。
液化天然ガスは燃やすとまた気体に戻り、家庭や工場、発電所でエネルギーとして使われます。
ただし、液化・再気化の工程には特殊な設備とコストがかかりますが、それでも効率的なエネルギー輸送方法として世界中で普及しています。
天然ガスと液化天然ガスの違いを比較
天然ガスと液化天然ガスは元は同じ「天然ガス」ですが、そのままの気体の状態か、液体に冷やした状態かで違いがあります。
次の表でそれぞれの特徴や使い方、輸送方法の違いをまとめました。
項目 | 天然ガス | 液化天然ガス(LNG) |
---|---|---|
状態 | 気体 | 液体(超低温) |
体積 | 1倍 | 約600分の1 |
輸送方法 | パイプライン | 専用船・タンク輸送 |
利用場所 | パイプライン沿い | 広範囲・離れた地域 |
コスト | 設備費用は抑えられる | 液化・再気化設備が必要で高コスト |
特徴 | 直接燃やして使う | 輸送効率が高く、輸入に向く |
なぜ液化天然ガスが重要なのか?
液化天然ガスは、エネルギーを遠くの国や地域に届けるための重要な技術です。日本のように資源が少ない国では、液化天然ガスを輸入して使うことで安定したエネルギー確保が可能になります。
また、環境負荷が少ないため将来的にも天然ガスは注目されていて、液化技術の進歩やインフラ整備が進んでいます。
世界的に石炭や石油から天然ガスへのシフトが進んでいる背景には、液化天然ガスの普及が大きく関わっています。
液化天然ガス(LNG)は超低温で液体にすることで体積が約600分の1になり、まるで冷凍保存のようにエネルギーを凝縮する技術です。これは天然ガスを輸送するときの大きな課題を解決する方法のひとつで、パイプラインがない海の向こう側へも大量に運べる優れもの。
ちなみにLNGを液体にする温度はマイナス162度と、とんでもなく冷たいんです。だからこそ、専用の保冷技術が必要なんですよ。