
P2MとPMBOKって何?基本をやさしく説明します
プロジェクトマネジメントに関わる言葉としてよく出てくるのがP2MとPMBOKです。
でも、この二つって一見似ているようで違いがわかりにくいですよね。
まずはそれぞれが何を意味しているのか、簡単に説明しましょう。
P2Mは「Project & Program Management」略で、日本独自のプロジェクトマネジメントの考え方や技法がまとめられたガイドラインです。
一方、PMBOKは「Project Management Body of Knowledge」の略で、アメリカのプロジェクトマネジメント協会(PMI)がまとめた世界共通のプロジェクト管理の基準書です。
つまり、P2Mは日本の現場に合った方法論、
PMBOKはグローバルに通用する標準的な知識体系と言えます。
この理解が違いをつかむ第一歩となります。
では、それぞれの特徴や使われ方について詳しく見ていきましょう。
P2Mの特徴とメリット
P2Mは日本の公益社団法人である「プロジェクトマネジメント協議会」が中心となって作成しています。
特徴は日本の企業文化や働き方を反映した点にあります。
例えば、日本のプロジェクトではチームの調和や合意形成を重視しますよね。
P2Mはこうしたコミュニケーションやリーダーシップを重要視しているのが大きな特徴です。
また、P2Mではプロジェクトだけでなくプログラムやポートフォリオを含めた幅広い管理が扱われているため、複数のプロジェクトをどう組み合わせて成果を上げるかという視点も強調されています。
日本の企業ではチームワークや長期的な関係性を重視するため、P2Mは現場の実情に即した実践的な指針を与えてくれます。
こうした意味で、国内向けのプロジェクトマネジメントの教科書として人気があります。
PMBOKの特徴とメリット
一方でPMBOKは、国際的な標準ガイドとして世界中で使われています。
PMBOKは「知識エリア」と呼ばれる10種類の分野に分かれており、それぞれ計画、範囲、時間、コスト、品質、人的資源、コミュニケーション、リスク、調達、ステークホルダー管理と具体的な管理領域が整理されています。
この体系的な分類により、プロジェクトマネジメントを科学的、論理的に進めることができるのが大きな強みです。
また、PMBOKは資格試験であるPMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)の基盤となっていて、知識やスキルの証明として世界的に評価されています。
ただ、PMBOKはグローバルに多様な業種や国で使われることを考えているため、少しだけ抽象的で堅苦しいと感じるかもしれません。
しかし、基本の考え方やプロセスは非常に優れていて、国際的な標準モデルとしては不動の地位を持っています。
P2MとPMBOKの違いを表でまとめてみよう
ポイント | P2M | PMBOK |
---|---|---|
開発団体 | 日本プロジェクトマネジメント協議会 | 米国プロジェクトマネジメント協会(PMI) |
特徴 | 日本の企業文化に合った実践的なガイド コミュニケーションとチームワーク重視 | 国際的標準 10の知識エリアで体系化 科学的・論理的 |
主な用途 | 日本国内のプロジェクト管理や教育 | 世界中のプロジェクト管理、PMP資格試験 |
強み | 日本の実務に適した柔軟な基準 | 統一的な知識体系、資格認定の基準 |
難易度 | やや実務寄りで理解しやすい | 幅広い分野を網羅し堅苦しい場合も |
まとめ:使い分けるならどっち?
P2MとPMBOKはどちらもプロジェクトを成功させるための優れた方法論ですが、用途や環境によって選び分けることが大切です。
日本の企業での実務やチーム内の調和を重視するならP2Mが使いやすいですし、
海外のプロジェクトや国際資格を目指すならPMBOKを基礎から学ぶのがおすすめ。
また、両方を理解することで、日本の現場に即した柔軟な対応と世界基準の理論的な知識、
二つの良いところを活かせるプロマネになれますよ。
ぜひこの記事を参考にして、自分に合ったプロジェクトマネジメントの方法を見つけてくださいね。
ここでちょっと面白い話題として「P2M」の名前の由来について触れてみましょう。実はP2Mは「Project & Program Management」の略ですがこの“Program”の概念が重要です。ただのプロジェクト管理と違い、複数のプロジェクトをまとめて管理する“プログラム管理”を意識しているのが特徴です。日本の企業では複数の案件が同時進行することが多いので、このP2Mの考え方は現場でとても実用的なんです。PMBOKも同じくプログラム管理やポートフォリオ管理を扱いますが、P2Mはさらに日本の組織文化に馴染むよう工夫されています。プログラム管理は、一見地味に見えるかもしれませんが、複雑な仕事を効率よく進めるために欠かせない考え方。意外と知らない人も多いので、ここで知識を深めると仕事がぐっとラクになるかもしれませんね。
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