
CADデータとは何か?
まずはCADデータについて理解しましょう。CAD(キャド)は「Computer-Aided Design」の略で、コンピューターを使って設計を行うソフトウェアのことを指します。
CADデータはその設計情報をデジタルデータとして保存したものです。例えば建築や機械、電子機器の設計図や回路図などがCADデータに含まれます。
このデータは設計者が自由に編集・修正でき、3次元の立体モデルや2次元図面として表現されることが多いです。デザインの詳細な寸法や形状、構造情報が含まれているため、製造の基礎となります。
つまり、CADデータは設計段階での詳細な情報が集まったデジタル図面だと考えてください。
ガーバーデータとは何か?
それではガーバーデータについて説明します。ガーバーデータとは主に電子基板の製造に用いられるデータ形式で、プリント基板(PCB)を作るための指示が含まれています。
電子部品を基板上に正確に配置し、回路を形成するための情報がガーバーデータに記録されています。
CADデータが設計情報だとすれば、ガーバーデータは製造工場が使う“指示書”のようなものです。
ガーバーデータは設計情報をもとにして作られ、層ごとの配線パターンや穴あけ位置、はんだレジストの位置など、基板製造に必要な詳細情報が含まれています。
専門のソフトウェアやマシンに読み込ませることで、正確な製造が可能になるのです。
CADデータとガーバーデータの違いとは?
では、CADデータとガーバーデータの違いは何でしょうか?
簡単に言うと、
CADデータは設計図、ガーバーデータは製造指示書ということです。
表にまとめてみましょう。
この違いから分かるように、設計段階と製造段階で使う目的や内容が異なります。
また、CADデータからガーバーデータを作るには専用の変換ソフトやスキルが必要で、正確な製造のために非常に重要な工程です。
まとめ
今回のポイントは以下の通りです。
- CADデータは設計図面で、詳細な設計情報を持ち編集も自由。
- ガーバーデータは基板製造用の指示書で、正確な製造に必要なデータを含む。
- 両者は目的も使用者も異なり、製造の過程で変換されて使われる。
このようにCADデータとガーバーデータは似ているようで全く違うものです。
電子基板の設計から製造までの流れを理解することで、より技術や業界の仕組みが見えてきます。
ぜひこの記事を参考に、違いをしっかり押さえておきましょう。
ガーバーデータは、実はプリント基板ができあがるための“地図”のようなものです。設計者が描いた回路図(CADデータ)があっても、基板を作る工場が使うデータはガーバーデータという特別な形式に変換されています。この変換は単なるコピーではなく、製造機械が読み取りやすいように最適化されたもので、レイヤーごとの配線や穴の位置まで細かく指示されています。身近なスマホの中にもこうしたガーバーデータが隠れていて、まさに目に見えない設計図の「翻訳版」と言えますね。