
フォービズムと印象派とは何か?
まずは、フォービズムと印象派が何かを理解しましょう。
印象派は19世紀後半にフランスで生まれた美術運動で、光と色の変化を感じたままに描くことを大切にしました。自然の中で見える一瞬の印象を大切にし、柔らかい色使いと軽やかな筆致が特徴です。
一方、フォービズムは20世紀初頭に登場した前衛的な美術様式で、より自由に、そして大胆に色を使うことを特徴としています。色彩は現実とは異なる鮮やかなものが多く、感情や力強さを表現します。
フォービズムと印象派の技法と特徴の違い
印象派は自然光をとらえるために、外で直接風景を描きました。色は混ぜずに、隣り合う色を同時に画面に置く「分割筆触法」を使用し、ぼんやりとした輪郭が独特の柔らかさを生みます。
フォービズムは、色彩の原色を強調し、筆使いも力強く、形よりも色の感情を表現します。大胆な色の使い方で、現実世界の見え方よりも感情的な印象を大事にしました。フォービズムの作品は、通常の対象物がはっきりとは見えず、色そのものが主役になります。
美術史の流れと両者の位置づけ
印象派はアカデミー美術に反発して始まったので、比較的自然な描写を探求しながら新しい表現を試みました。
フォービズムは印象派のあとに登場し、さらに自由で大胆な表現を目指した動きです。
下の表で両者の違いをまとめましょう。
違いを楽しむポイント
フォービズムと印象派はどちらも「色」を大切にしていますが、印象派は光の中の自然な色彩を追い、フォービズムは感情の色彩を表現するという大きな違いがあります。
もし美術館で両方の作品を見る機会があれば、色遣いや筆遣い、描かれているものの捉え方の違いに注目してみてください。
色と形の自由さや表現力を感じ取ることで、芸術の面白さが一層深まります。
フォービズムの色彩は非常に大胆で鮮やかですが、実はこれは感情を絵で表すための工夫なんです。
当時の画家たちは、実際の景色よりも自分の感じた強い気持ちやエネルギーを色で表現したいと思いました。
だから青が緑になったり、顔が赤く塗られたりと、リアルではないけれど心の中の世界を描いてるんですね。
この考え方がのちの抽象画にもつながっていくんですよ!
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