
キュビズムとは何か?
まず初めにキュビズムについて説明します。キュビズムは20世紀初頭にフランスで生まれた美術のスタイルで、ピカソやブラックといった画家が代表的です。特徴は、物体を多角的な視点から同時に描くことで、立体的に見せる表現方法です。
従来の絵画が一つの角度から物を描くのに対して、キュビズムは複数の面や角度を組み合わせて表現します。これにより、対象の形や構造を理解しやすく、また新しい視点で見ることができるようになります。
キュビズムは具体的な物体をベースにしながらも、その形を分解し再構築することで、物体の本質を捉えようとする試みなのです。
抽象画とは?キュビズムとの違い
次に抽象画について説明します。抽象画とは、現実の物や人物を直接描かず、形や色、線、質感などを使って感情や概念を表現する絵画のことです。
抽象画は対象の形をほとんど認識できないことが多く、読者や観る人に自由な解釈を促します。
これに比べてキュビズムは、物体を分解して再構成しながらも、元の対象物の要素を残しています。つまり、キュビズムは具体的な形を抽象的に表現するスタイルですが、抽象画は形そのものを意図的に消してしまうこともあります。
この違いをまとめると、キュビズムは物体の多角的表現、抽象画は形の解体・消失が特徴となります。
キュビズムと抽象画の比較表
まとめとキュビズム・抽象画の楽しみ方
キュビズムと抽象画は似ているようでいて表現の目的やスタイルが大きく異なります。キュビズムは物体をいろいろな角度から見て形を探る表現方法で、抽象画は物体の形や現実から離れ、自由に感情やイメージを描くことが特徴です。
どちらも20世紀以降のモダンアートの重要な流れでありながら、見る人の感性や考え方で楽しみ方が変わる芸術です。
美術館や展覧会でこれらの作品を見るときは、どうしてその画家がその形にしたのか、どんな気持ちや考えが込められているのかを想像すると、より面白く感じられるでしょう。
また、自分で絵を描くときの参考にして、視点や表現の幅を広げてみるのもおすすめです。
キュビズムの面白いところは、一つの物を見る時、普通なら一つの角度だけで見ますよね。しかしキュビズムの絵は、例えば顔なら正面や横顔を一つの絵にまとめて描いてしまうんです。この特徴が絵を見る側に新鮮な驚きを与えます。
実はこれは、物の形や本質を深く理解しようという意図から生まれた表現なんですよ。だから見慣れたものなのに、ちょっと不思議で面白い気持ちになるんです。キュビズムを知ると、日常の物の見方も変わってくるかもしれませんね。
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