
旅行代理店と旅行業者の基本的な違いとは?
旅行に行くとき、「旅行代理店」と「旅行業者」という言葉をよく聞きますよね。
でも、この二つの言葉の意味がはっきりわからないという人も多いのではないでしょうか。
実は、旅行代理店と旅行業者は似ているようで役割や意味が少し違います。
ここでは、その違いをわかりやすく説明していきます。
まず、旅行業者とは「旅行業法」という法律に基づいて正式に認められた事業者のことをいいます。
旅行業者は自分で旅行商品(パッケージツアーなど)を企画して販売することができる会社や個人です。
一方で、旅行代理店は、旅行業者が作った商品をお客様に販売するための窓口のような役割です。
つまり旅行業者が旅行を「作る人」、旅行代理店が旅行を「売る人」と考えてもいいでしょう。
ちなみに、法律的には旅行代理店は旅行業者の一形態でもありますが、実務的に区別していることが多いのです。
このように、簡単に言うと、旅行業者は商品を企画・販売し、旅行代理店は商品を販売する専門店という違いがあります。
旅行代理店と旅行業者の具体的な役割の違い
では、「旅行業者」と「旅行代理店」は実際にどんな違いがあるのか、さらに詳しく見ていきましょう。
<旅行業者の主な役割>
- ツアーパッケージの企画や手配
- 交通機関や宿泊施設、観光地などとの契約・調整
- 旅行の企画から安全管理まで責任を持つ
- 旅行者からの支払いを受けて自社でサービスを提供または手配
<旅行代理店の主な役割>
- 旅行業者が作ったツアー商品を販売すること
- お客様からの問い合わせや相談への対応
- 申込みの受付や予約の手伝い
- パンフレットの配布や宣伝活動
このように旅行業者は商品を作る「生産者」の役割、
旅行代理店はそれをお客様に届ける「販売店」の役割というのが分かります。
とはいえ、最近は旅行代理店も自ら旅行商品を企画するケースもあり、
両者の境界が少しあいまいになっていることもあります。
以下の表で違いをまとめてみました。
役割 | 旅行業者 | 旅行代理店 |
---|---|---|
主な業務 | 旅行商品の企画・販売・手配 | 旅行商品の販売・申込受付・相談対応 |
サービス提供 | 交通・宿泊・観光施設と直接契約 | 主に旅行業者の販売代理 |
顧客対応 | トラブル対応や契約責任あり | 接客や申し込み手続きが中心 |
例 | 大手旅行会社やツアー企画会社 | 街の旅行販売店やオンライン旅行代理店 |
ところで、旅行代理店の中にも最近「オンライン旅行代理店(OTA)」というものがよく聞かれますね。
OTAはインターネットを使って旅行商品を販売する代理店のことですが、
旅行業者が企画した商品だけでなく複数の旅行業者のサービスをまとめて比較できる便利なサイトです。
つまり、いろいろな旅行業者の商品をワンストップで買える場所なんですね。
これがあることで、旅行者は希望のプランを見つけやすくなりましたし、価格の比較も簡単にできるようになりました。
インターネットが普及したことで、旅行代理店の役割もずいぶん変わってきているんですね。