
iscsiとnfsとは何か?基本を押さえよう
今はパソコンやサーバーでたくさんのデータを保存する時代です。
でも保存する場所や方法はいろいろあって、特に大きなネットワークの中では「iscsi」と「nfs」という言葉をよく聞きます。この2つは、ネットワーク上でストレージを共有するための技術なんです。
まずはこの2つが何なのかを簡単に説明しましょう。
- iscsiは「Internet Small Computer Systems Interface」の略で、
ネットワーク経由で外付けのハードディスクをパソコンに直接つないだように扱う技術です。
簡単に言うと、リモートのディスクを自分のパソコンの一部として使えます。 - nfsは「Network File System」の略で、
ネットワーク上の他のコンピューターのディスクをファイル単位で共有する技術です。
ファイルサーバーからファイルを借りるイメージですね。
この2つの違いを知ることは、ネットワークストレージを選ぶ時にとても重要なんですよ。
iscsiとnfsの技術的な違いを比較してみよう
では、iscsiとnfsの技術的な部分での違いを具体的に見てみましょう。
まず、iscsiは「ブロックレベル」でストレージを扱います。
つまり、データをディスクの一部(ブロック単位)で送受信しているため、パソコン側ではまるで自分のローカルディスクのように扱えます。
そのため、例えば自分のパソコンに新しいディスクを追加する感覚に近いのです。
一方、nfsは「ファイルレベル」での共有です。
ファイル単位でやりとりをするため、ネットワーク越しにファイルの読み書きを行います。
これは、リモートのフォルダを自分のパソコンにマウントして使うイメージです。
さらに、下の表でより詳しい違いをまとめました。
ポイント | iscsi | nfs |
---|---|---|
操作単位 | ブロックレベル(ディスクの一部) | ファイルレベル(ファイル単位) |
利用イメージ | 自分のパソコンの内部ディスクの追加 | リモートファイルサーバーのフォルダ共有 |
パフォーマンス | 高速(ローカルディスクに近い操作感) | やや遅め(ファイル読み書きのネットワーク負荷あり) |
用途 | 仮想マシン、データベースなど速度重視の業務 | ホームディレクトリ、文書共有などファイル共有向き |
管理の難しさ | やや専門的で設定が複雑 | 比較的簡単で初心者向き |
このように、iscsiは速さを求める業務に使われやすく、nfsは共有のしやすさが特徴です。
用途別にiscsiとnfsの使い分け方と選び方のポイント
実際に使うときは利用シーンに合わせて選ぶのが大切です。
ここからはどんな場面でiscsiを使い、どんな場合にnfsが適しているかを具体的に説明します。
- iscsiが向いている場面
・仮想サーバーのストレージに使う時
・データベースの高速ストレージとして利用
・高いパフォーマンスとブロックレベルの直接操作が必要なとき - nfsが向いている場面
・会社内での文書ファイルや写真をみんなで共有
・ユーザーのホームディレクトリ管理
・ファイル単位で簡単にアクセス・共有したい時
また、iscsiは専門性が必要なので設定や管理は少し難しいですが、その分速度が速くて使いこなせれば効率的。
nfsは設定がやさしく導入しやすいので、中小規模のネットワークにぴったりです。
ネットワークストレージを考えるなら、「スピード重視ならiscsi、利便性重視ならnfs」がざっくりとした覚え方です。
用途や環境に合った選択を心がけましょう。
ピックアップ解説
iscsiって言葉を聞くと何だか難しそうですが、実はネットワークでディスクを直接使う魔法みたいな仕組みなんですよ。
ブロック単位でやりとりするので、パソコンの中身に新しいディスクを追加するように使えます。
でも、この専門的な扱い方がちょっと難しくて、設定にはしっかり知識が必要です。だから初心者はまずnfsから始めることが多いんですよ。
でも速さが欲しい仕事にはiscsiが頼りになる、大切な技術なんです。