
ノーウェアランサムとランサムウェアの基礎知識
まずは、ノーウェアランサムとランサムウェアが何かを理解しましょう。
ランサムウェアとは、コンピューターのデータを勝手に暗号化して使えなくし、その元に戻すための“身代金”(ransom)を要求する悪質なソフトのことです。これに感染すると、仕事のファイルや大事な写真が使えなくなり、犯人に大金を払うように脅されます。
一方、ノーウェアランサムは少し違います。これはデータを暗号化しないランサムウェアの一種で、実際にデータを使えなくするのではなく、「実はすでに重要なファイルは消えた」や「データを勝手に盗んだ」と嘘を言って脅すタイプです。
つまり、ノーウェアランサムは実害より心理的な恐怖を狙った攻撃です。
この二つの違いを知ることで、どんな対策が必要か見えてきます。
ノーウェアランサムとランサムウェアの攻撃方法の違い
ランサムウェアはデータを物理的に暗号化し、元に戻すには犯人にお金を払う必要があります。感染したコンピューターやサーバーはファイルが使えなくなり、画面には身代金の要求メッセージが表示されます。
これに対し、ノーウェアランサムはデータを壊したり隠したりしません。代わりに、メールや通知で「あなたの大事な情報は盗みました」「お金を払わなければ公開します」などと脅してきます。
しかし、実際にデータを消去したり暗号化したりはしていないため、ソフトの動作に変化は見られません。
この心理的プレッシャーだけでお金を払う被害者も少なくありません。
簡単な対策としては冷静に状況を判断し、怪しいメールや通知は無視することです。
ノーウェアランサムとランサムウェアの対策と注意点
どちらも被害に遭わないためには基本のセキュリティ対策が大切です。
ランサムウェアに対しては、定期的にバックアップを取ること、怪しいファイルやリンクを開かないこと、セキュリティソフトを最新の状態に保つことが必須です。
一方でノーウェアランサム対策は少し違います。攻撃内容が心理的な脅迫のため、落ち着いて情報の真偽を確認することが大切です。
また、信用できない相手からのメールは安易に返信や支払いをしないことも重要です。警察や専門機関に相談するのも有効です。
どちらも知識を持って被害を避けましょう。
以下の表で違いをまとめます。
ポイント | ランサムウェア | ノーウェアランサム |
---|---|---|
攻撃方法 | データを暗号化し使用不能にする | データは壊さず脅迫メッセージのみ |
被害内容 | ファイルが使えなくなる | 心理的に恐怖を与える |
対策 | バックアップ、セキュリティ更新、注意深い操作 | 冷静な対応、連絡しない、専門機関へ相談 |
ノーウェアランサムの面白いところは、実際にはあなたのデータを奪ったり壊したりしないのに、あたかもそうしたかのように脅してくる点です。これは心理的なサイバー攻撃の一種と言えます。実害がなくても、ドキッとすることでパニックになり、本当にお金を払ってしまう人もいます。だから冷静に対応することが大事ですよ。
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