
ElasticsearchとNoSQLの基本的な違いとは?
ElasticsearchとNoSQLは、どちらも従来のリレーショナルデータベース(RDB)とは異なる特徴を持つデータ管理の方法ですが、目的や仕組みはかなり違います。
まず、NoSQLは「Not Only SQL」の略で、リレーショナルデータベースに代わるデータベースの総称です。キー・バリュー型やドキュメント型、グラフ型など様々なタイプがあります。データを柔軟に扱えて大量データの処理に適しているのが特徴です。
一方、ElasticsearchはNoSQLの中でもドキュメント指向の検索エンジンとして開発されました。全文検索や分析に強みがあります。言い換えれば、NoSQLはデータを保存する仕組み全般で、Elasticsearchはその中の特定の目的(高速検索と分析)に特化したツールという位置づけです。
このように体系としては、NoSQLが広い枠組みで、Elasticsearchはその一部に含まれる技術です。それぞれの特徴を次の章で詳しく説明します。
Elasticsearchの特徴と得意な使い方
Elasticsearchは「オープンソース」の検索エンジンで、主にテキスト検索に特化しています。
大量のデータの中から、すばやく関連のある情報を探し出すことが得意です。
ポイントは次の通りです。
- リアルタイムに近い高速検索ができる
- 全文検索や複雑な検索条件に対応している
- データの分析や集計も得意
- JSON形式のドキュメントとしてデータを扱う
- 分散システムでスケールしやすい
具体的には、Webサイトの検索機能、ログの解析、ビッグデータの解析場面などで多く使われています。
使い方のポイントは、検索のためにデータをElasticsearchのインデックスに登録し、そこから必要な情報を素早く取り出せることです。
ただし、トランザクション処理や複雑なリレーションは不得手で、単純に高速な検索や分析をしたい場合に向いています。
NoSQLのタイプ別の特徴と用途
NoSQLは名前の通り、SQLを使わないデータベースの総称ですが、その中にもいくつか種類があります。
タイプ | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|
キー・バリュー型 | シンプルで高速。キーに値を対応させる形式 | キャッシュやセッション管理 |
ドキュメント型 | JSONなどの構造化データをそのまま保存可能 | Webアプリ、モバイルアプリのデータ保存 |
カラム型 | 大量のデータを高速に処理。列単位の管理 | ビッグデータ分析、大規模データ倉庫 |
グラフ型 | ノードとエッジで関係性を管理 | SNS、推薦システム |
Elasticsearchはドキュメント型NoSQLの一種ですが、特に検索と分析に絞った強力な機能を持っているのが特徴です。
NoSQLは柔軟にスキーマレスで設計でき、必要に応じたデータ構造を使い分けられます。
それだけに、目的に応じて最適なNoSQLを選ぶことが大切です。
ElasticsearchとNoSQLの違いまとめ
簡単にまとめると次のような違いがあります。項目 Elasticsearch NoSQL 種類 ドキュメント指向の検索エンジン 多数のタイプがあるデータベース総称 主な用途 全文検索、ログ分析、リアルタイム分析 様々なデータ管理・処理(例:キャッシュ、SNS、分析) データ形式 JSONドキュメント データタイプによる(JSONやキー・バリュー等) 特徴 高速検索・分析に特化 用途によって柔軟なデータ保存ができる 仕組み 分散インデックスと全文検索技術 様々なデータモデルに基づくデータ管理
このように、ElasticsearchはNoSQLの中の一つで、特に検索に力を入れたツールです。
一方でNoSQL全体は、さまざまなタイプのデータを扱う幅広い概念です。
適材適所で使い分けることが重要なので、何をしたいかをまずはっきりさせて選びましょう。
Elasticsearchは、単なるデータベースというよりは高速な全文検索エンジンとして知られています。よく例え話で「図書館の司書さん」のようだと言われるんです。たとえば大量の本(データ)があっても、司書さん(Elasticsearch)が目次や索引をつくってくれるので、知りたい情報をすぐに見つけられるんです。これが普通のNoSQLデータベースと違う大きなポイントですね。だから、検索が重要な場面ではElasticsearchがとっても頼りになるんです。