
教師あり学習とは何か?基本をやさしく紹介
AIや機械学習の世界でよく聞く「教師あり学習」とは、あらかじめ答えのラベルがついたデータを使ってコンピュータに学習させる方法です。たとえば、犬と猫の写真にそれぞれ「犬」「猫」というラベルが付いているデータを用意し、コンピュータにその違いを覚えさせるイメージです。
この方法は、正しい答えが分かっているため、モデルの学習が比較的わかりやすく、精度も高くなりやすいです。学校の勉強で先生が問題の答えを教えてくれるイメージに似ていますね。
主に、画像認識や音声認識、メールのスパム判定、医療診断など、答えの基準がはっきりしている場面でよく使われます。
こうした特徴から、教師あり学習は結果がはっきりしていて、目的が明確なときに役立つ学習方法と言えます。
教師なし学習とは?特徴と使われ方を詳しく解説
一方、教師なし学習は、正しい答えのラベルが付いていないデータだけを使ってコンピュータがパターンや特徴を自分で見つける方法です。先生が答えを教えてくれない中で、自分でルールを見つけるイメージですね。
例えば、お店の顧客データをもとに似ている客層をグループ分けしたり、文章データの中からテーマを自動的に分類したりする場面で使われます。
この方法は「クラスター分析」や「主成分分析」などがありますが、正解ラベルがないため学習結果の評価が難しい場合もあります。
しかし、新しい発見や隠れたパターンを見つけるのにとても役立つため、未知のデータの分析や探索的データ解析の分野で重宝されています。
教師あり学習と教師なし学習の違いを分かりやすくまとめてみよう
ここまで説明してきた内容を表にまとめてみました。
特徴 | 教師あり学習 | 教師なし学習 |
---|---|---|
学習に使うデータ | 正しい答えがついたラベル付きデータ | 答えのないラベルなしデータ |
学習の目的 | 入力データから出力(答え)を予測・分類 | 似ているデータのグループ分けや特徴抽出 |
使われる代表的な技術 | 分類、回帰、ニューラルネットワーク | クラスター分析、主成分分析、自己組織化マップ |
主な応用例 | 画像認識、音声認識、医療診断、スパム判定 | 顧客分析、異常検知、特徴抽出、マーケティング分析 |
メリット | 正確な予測が得られやすい | 未知のパターンや隠れた関係を発見しやすい |
デメリット | ラベルが必要でデータ準備に手間がかかる | 結果の評価が難しく予測には向かない場合がある |
こうして見ると、教師あり学習は答えを教えることでモデルの精度をあげる学習方法、教師なし学習は答えがないデータからパターンを見つけ出す学習方法という大きな違いがあります。
それぞれの特徴や目的を理解し、使い分けることがAIをうまく活用するポイントです。
これからの社会でAIがますます重要になる中、教師あり学習と教師なし学習の違いを知っておくことはとても役に立つでしょう。
教師あり学習では「ラベル付きのデータ」が使われますが、実はこのラベルをつける作業はとても大変です。例えば、画像に『これは猫』『これは犬』と正確に付ける必要があり、人間がひとつひとつ手作業で行うこともあります。しかも、多くのデータが必要なので、AIの精度を上げるために膨大な労力がかかることもあるんです。つまり、AIにとって答えがわかる状態を作り出すための見えない努力が、教師あり学習には欠かせないんですよ。
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