
クラスタとは何か?
「クラスタ」とは、複数のコンピュータやサーバーを集めてひとつのシステムとして動作させる仕組みのことです。
目的は、システムの安定性や信頼性を高めること。たとえば、一台のサーバーが故障してもクラスタ内の他のサーバーが代わりに働くことで、サービスが止まらないようにします。
これにより、ユーザーはシステムが常に使える状態を保てるのです。
クラスタにはいくつか種類がありますが、多くは「高可用性クラスタ」と「ロードバランスクラスタ」があります。
高可用性クラスタは故障時の切り替えに重点を置き、ロードバランスクラスタは負荷分散の仕組みを持つクラスタです。
負荷分散とは?
「負荷分散」は、複数のコンピュータやサーバーで処理を分散させて、特定の機器に仕事が集中し過ぎないようにする方法です。
例えば、大人気のウェブサイトにたくさんアクセスがある時、ひとつのサーバーだけで対応すると遅くなったり、故障したりします。
そこで負荷分散装置やソフトウェアがアクセスを複数のサーバーに振り分けて、スムーズに動くように調整します。
負荷分散をすると、たとえサーバーの一部にトラブルがあっても、ほかのサーバーがカバーできるため、全体の性能や安定性が向上します。
クラスタと負荷分散の違い
クラスタと負荷分散は似ているようで、実際は違う側面があります。
まず、クラスタはシステム全体の信頼性や可用性を高めるための構成であり、複数の機器を一体化して動かします。
一方、負荷分散は仕事の量を均等に分けて処理速度を上げ、過負荷を防ぐ仕組みです。
この違いは、クラスタが「壊れにくくすること」を重視するのに対し、負荷分散は「速く処理すること」を重視している点にあります。
さらにクラスタの中に負荷分散を取り入れることも多く、両者は補い合う関係です。
特徴を比較する表
ポイント | クラスタ | 負荷分散 |
---|---|---|
目的 | システムの信頼性と可用性の向上 | 処理の速さと均等分配 |
構成要素 | 複数のサーバーを一体として動かす | 複数のサーバーへ処理を振り分ける装置・ソフト |
役割 | 障害時の切り替えや冗長化 | 仕事量の分散と負荷の軽減 |
導入効果 | ダウンタイムの削減、安定稼働 | 高速処理、アクセス集中の緩和 |
まとめ
クラスタと負荷分散はいずれもサーバーやシステムを安定して動かすための技術ですが、目的が少し異なります。
クラスタはサーバーの故障に備え、サービスを止めないことを目指し、負荷分散は処理を効率よく分散して速くこなすことを目標にしています。
この二つをうまく組み合わせることで、現代のウェブサービスや企業システムはスムーズで安定的に動いているのです。
難しく思えるかもしれませんが、要は「複数のコンピュータが仲良く助け合う仕組み」と理解するとわかりやすいでしょう。
ぜひこの機会にクラスタと負荷分散の違いを覚えて、ITの基礎知識を身につけてくださいね!
負荷分散の仕組みの中で使われる“ラウンドロビン”という方法は、順番にアクセスを振り分ける単純だけど効果的な方法です。たとえば、4台のサーバーがあれば、最初のアクセスは1台目、次は2台目…と順番に回していきます。簡単なのに均等に負荷を分散できるので、よく使われています。こうした仕組みがあるおかげで、大きなウェブサイトでも快適に使えるんですよ。意外とシンプルなアイデアが裏にあるんですね!
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