
SVM(サポートベクターマシン)とは?
SVMは機械学習の中でよく使われる「分類アルゴリズム」の一つです。
簡単に言うと、データをいくつかのグループに分けるのが得意な方法です。
例えば、ある果物の写真がリンゴなのかバナナなのか判別するときに使われます。
SVMの特徴は、データを分類するための「境界線」をできるだけ広く取ることです。
この境界線はマージンと呼ばれ、マージンを最大化することで新しいデータにも強く、正確に分類できるようになります。
また、SVMは「線形」だけでなく、「カーネル関数」という仕組みを使って、複雑なカーブの境界線も作り出せます。
これによって、より難しい問題でも使いやすくなっているわけです。
特徴まとめ:
- データを分ける境界線を探す(マージン最大化)
- 線形以外の複雑な形にも対応可能
- サポートベクターという重要なデータだけを使って計算する
ランダムフォレストとは?
ランダムフォレストは、多くの決定木(デシジョンツリー)を使って予測する方法です。
決定木は、質問を重ねていくことで答えを出す木の形をしたモデルです。
たとえば「色は赤い?」「形は丸い?」という質問を続けて果物の種類を判断します。
ランダムフォレストは、たくさんの決定木を作って、それぞれの結果を集めて最終判断をするため、
一つの決定木だけを使うよりも正確で、安定した結果が得られます。
また、データの一部をランダムに選んで学習させる「ブートストラップ法」や、質問の数をランダムに変えることで、
多様な決定木を作る工夫がされています。
特徴まとめ:
- たくさんの決定木を使って予測
- 多数決や平均で安定した結果を得る
- ランダムなデータや質問を使って多様性を確保
SVMとランダムフォレストの違い
1. モデルの仕組みの違い
SVMはデータの境界線を探して分類する方法で、一つの境界線を作ります。
ランダムフォレストはたくさんの決定木の結果をまとめて判断します。
2. 得意なデータや問題
SVMは特徴量が多くて複雑な問題に強いですが、データ量が多いと計算が遅くなります。
ランダムフォレストは大量のデータでも速く動き、ノイズ(間違ったデータ)に強いです。
3. 計算時間とメモリ
SVMは大きなデータセットで計算負荷が高くなることがあります。
ランダムフォレストは複数の決定木を作るので計算は分散でき、比較的効率的です。
4. 解釈のしやすさ
決定木の集まりであるランダムフォレストは、それぞれの木を見てどんな質問をしているか理解しやすいです。
SVMは境界線の計算方法が複雑なので理解が難しい場合があります。
以下の表で主な違いをまとめました。
ポイント | SVM | ランダムフォレスト |
---|---|---|
仕組み | 境界線を見つけて分類 | 多数の決定木の多数決 |
対応データ量 | 中小規模向けで大規模は遅い | 大規模データでも比較的速い |
ノイズへの強さ | ノイズに弱いことがある | ノイズに強い |
解釈のしやすさ | 難しい場合が多い | 比較的わかりやすい |
用途 | 画像認識やテキスト分類など | 幅広い分類問題で使われる |
このように、SVMとランダムフォレストは得意な場面や扱いやすさが異なるため、使い分けが大切です。
どちらを選べばいい?
・データがあまり大きくなく、複雑なパターンを検出したい場合はSVM
・大量のデータを扱い、ノイズが含まれていても安定した結果がほしい場合はランダムフォレスト
が向いています。
簡単に言えば、
「精密に境界線を引きたいならSVM」、「たくさんの決定木の意見をまとめて判断するのがランダムフォレスト」と考えればイメージしやすいでしょう。
この二つを知ることで、機械学習の世界がぐっと身近に感じられます。
ぜひ自分の目的に合った方法を選んでみてください!
SVMで使われる「カーネル関数」は、実は魔法のような仕組みなんです。表面上は数学の計算ですが、元のデータを別の高次元空間にこっそり移して、線形で分けられなかったデータもまっすぐな線で区切れるように変えてしまいます。
つまり、見えにくい複雑な形の問題を、実はシンプルな線で解決する裏技みたいなものなんですよ。これがSVMの強力な秘密のひとつなんです!
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