
提訴と起訴の違いとは?基本の理解をしよう
日常生活であまり耳にしない言葉に「提訴」と「起訴」があります。両者は法律の世界で重要な言葉ですが、役割や対象が異なります。提訴は民事事件で使われる言葉で、私人間のトラブルを裁判所に持ち込む手続きです。一方、起訴は刑事事件で使われ、犯罪があったとして検察官が裁判を求めることを指します。
つまり、提訴は個人間の争いを裁判で解決するための行動、起訴は犯罪の責任を問い裁判にかけるための行動です。この違いを知ることが、法律の仕組みを理解する第一歩となります。
以下では、提訴と起訴の具体的な意味や手続き、また両者の違いをわかりやすく解説していきます。
提訴とは?民事の裁判を開始する手続き
提訴とは、個人や法人など私人同士で起こる争いごとを裁判所に持ち込む行為を指します。例えば、お金の貸し借りや契約トラブル、損害賠償の請求などがこれに当たります。
提訴すると、裁判所は争いの内容を聞き、どちらの主張が正しいか判断します。提訴は原告が裁判所に訴えを起こすことで始まり、その手続きの中で訴状という書類を提出します。
提訴の特徴は以下の通りです。
- 争いが起こっている私人同士の問題
- 裁判は基本的に当事者同士の民事裁判
- 勝った方が損害賠償や権利の確認を得られる
提訴は自分の要求を裁判所に認めさせるための重要な手続きです。
起訴とは?刑事事件の裁判を始める検察官の行為
起訴は、犯罪があったかどうかを裁判で争うため、検察官が裁判所に対して被告人を訴えることを意味します。簡単に言えば、警察が捜査して犯罪の証拠を集め、検察官が被疑者を法廷にかける手続きが起訴です。
刑事事件では個人だけでなく国が裁判を起こすため、本人ではなく検察官が裁判を開始します。起訴には起訴状が必要で、犯罪の種類や行為の詳細が書かれています。
起訴のポイントは以下です。
- 犯罪があったとされる被告人を裁判にかける
- 検察官が犯罪事実を証明する責任を負う
- 有罪か無罪かを裁判所が判断する
起訴されると被告人は刑事裁判にかけられ、判決が下されます。
提訴と起訴の違いを表にまとめてみよう
両者の違いがさらに分かりやすくなるよう、以下に表でまとめました。
まとめ:提訴と起訴を知って法律の仕組みを理解しよう
提訴と起訴は法律の違った側面で使われる言葉ですが、どちらも裁判を始める重要な手続きです。
提訴は、個人同士のトラブルを裁判にかけることで解決を求める行為です。お金のトラブルや契約違反など、民事の問題を裁判所に判断してもらいます。これに対し、起訴は検察官が犯罪事実を認定して刑事裁判を開始する手続きです。犯罪か否かを裁判所に判断させ、刑罰が科されるかを決定します。
このように提訴と起訴はその対象や目的、手続きをする主体が全く異なっています。
法律の世界を少しでも身近に感じられるように、これからもわかりやすい解説をお届けします!
「起訴」という言葉、ドラマやニュースでよく耳にしますが、実は起訴されるかどうかは検察官の判断にかかっています。犯罪があったと疑われても、証拠が十分でなければ「不起訴」にされ裁判にかけられないこともあります。つまり、犯罪があっても必ず起訴されるわけではなく、証拠の有無がとても重要なんです。検察官の役割は犯罪の証明だけでなく、無実の人を裁かせないために慎重な判断をすることも求められているんですね。
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