
サブネットとセグメントとは?ネットワークの基礎知識をわかりやすく解説
インターネットや社内ネットワークを使うとき、よく耳にする「サブネット」と「セグメント」という言葉。どちらもネットワークを小さく分けるためのものですが、その役割や意味には違いがあります。
まず、「サブネット」とはIPアドレスの範囲を区切ってネットワークを分割する技術のこと。例えば、大きなネットワークをいくつかのグループに分けて管理しやすくします。一方、「セグメント」は物理的または論理的にネットワークを区切った範囲、たとえば同じケーブルやスイッチに接続された範囲のことを指します。
この2つの違いを知ることで、ネットワーク設計やトラブル解決に役立ちます。これから詳しく見ていきましょう。
サブネットの概要としくみ:IPアドレスでネットワークを分割する仕組み
サブネット(サブネットワーク)は、1つの大きなネットワーク(IPネットワーク)を小さなネットワーク単位に分割する方法です。
具体的には、IPアドレスの「ネットワーク部分」と「ホスト部分」を分けるために、サブネットマスクと呼ばれる数字の組み合わせを使います。これによってどの部分がネットワークを示し、どの部分が個々の端末を示すかが決まります。
例えば、会社のネットワークが大きすぎると管理が難しくなりますが、サブネットで区切れば部門ごとや地域ごとに分けて管理できます。さらに、セキュリティ面でもネットワークを区切ることでアクセス制御をしやすくなります。
このようにサブネットはIPアドレスを論理的に区切る工夫だと考えてください。
セグメントの意味と役割:物理的または論理的に区切られたネットワークの範囲
一方でセグメントとは、同じ物理的な伝送媒体(ケーブルやスイッチポートのグループなど)につながったネットワークの範囲のことです。
例えば、1つのオフィス内でスイッチを使ってつないだ端末たちが1つのセグメントになります。セグメント内の通信は直接届くことが多いですが、異なるセグメント間の通信はルーターなどの機器を通す必要があります。
セグメントの区切りは主に
- 物理的な経路の違い(ケーブルや機器の接続状況)
- ブロードキャストドメインの区切り
つまり、セグメントは物理的な接続か、ネットワークのブロードキャストの範囲で分けられたネットワークの区画だと言えます。
サブネットとセグメントの違いを表でまとめてみよう
項目 | サブネット | セグメント |
---|---|---|
定義 | IPアドレスの範囲で論理的に区切るネットワーク | 物理的または論理的に区切られたネットワークの範囲 |
主な役割 | ネットワーク管理やセキュリティのために分割 | デバイスが同じ伝送媒体に接続されている範囲 |
区切り方 | サブネットマスクでアドレスを分割 | スイッチやケーブル接続で区切り |
関連機器 | ルーターがサブネット間の通信を調整 | ハブやスイッチはセグメント内の通信を中継 |
通信方式 | サブネット間はルーティングが必要 | 同一セグメント内はブロードキャスト通信可能 |
まとめ:ネットワークの基礎を理解して通信環境をスムーズに
サブネットとセグメントは似ている言葉ですが、ネットワークを管理する視点が違います。
サブネットはネットワークのIPアドレス範囲を小さく区切って論理的に分けることで、管理やセキュリティ、効率的な通信を実現します。一方でセグメントは、実際の物理的接続やブロードキャストドメインの単位としてネットワークの範囲を区別します。
両者の違いを意識することで、ネットワーク設計やトラブル時の対処がしやすくなります。ネットワークのしくみを知ることは、パソコンやスマホの動きを理解する第一歩。ぜひ覚えておきましょう!
今回は「サブネット」についてちょっと面白い話をしましょう。
サブネットは単にネットワークを区切るための技術ですが、実はIPアドレスを分割することでネットワーク内のトラブルを防ぐ役割も持っています。
たとえばもし大きなネットワークを1つの塊のままにしてしまうと、1台の不具合が全体に影響を与えやすくなります。サブネットを使ってネットワークを分割すると、トラブルが起きた場所を速く見つけやすくなるんです。
ちなみに、IPアドレスのサブネットマスク設定は最初は少し複雑に見えますが、実際はコンピューター同士がお互いを見分けて上手に話すための「約束ごと」と考えるとわかりやすいですよ。
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