
IPMIとSNMPって何?基本を押さえよう
コンピュータやサーバーを管理するための仕組みとして、IPMI(Intelligent Platform Management Interface)とSNMP(Simple Network Management Protocol)があります。どちらも機器の状態を確認したり管理したりするための技術ですが、用途や仕組みが異なります。
まず、IPMIは主にサーバーのハードウェアレベルの管理に使われ、電源のオン・オフや温度の監視などが可能です。一方、SNMPはネットワークに接続された様々な機器の監視に利用され、ネットワーク機器の状態やパフォーマンスを見るのに適しています。
簡単にいうと、IPMIはサーバー内部のハードウェア監視に特化、SNMPはネットワーク上の機器全般を監視できるプロトコルという違いがあります。
IPMIの特徴とできること
IPMIはサーバーをリモートから管理するための標準インターフェースです。サーバーの基本的な管理機能をハードウェアレベルで提供し、OSが動いていなくても利用できることが大きな特徴です。
主な機能としては、サーバーの電源操作(オン・オフ・リセット)や温度、ファン速度、電圧の監視、そしてエラーログの取得などがあります。特に障害が発生した場合に原因を調査しやすくするための仕組みとして注目です。
IPMIはサーバーボードに専用の管理コントローラ(BMCと呼ばれる)を搭載し、ネットワーク経由で管理者が操作できるように設計されています。
SNMPの特徴と特徴的な使い方
SNMPはネットワーク機器を中心とした監視プロトコルで、ルーターやスイッチ、プリンター、さらにはサーバー自身のネットワーク状況を監視するのに使われます。
SNMPはネットワーク上の複数機器から情報を収集し管理できるため、大規模ネットワークの管理に非常に役立ちます。CPU使用率やメモリ使用量、トラフィック量など多彩な情報を取得することが可能です。
管理システム(NMS)がSNMPエージェントから定期的に情報を収集し、障害がある場合はアラートを上げる仕組みが一般的です。
IPMIとSNMPの違いを表でまとめてみた
項目 | IPMI | SNMP |
---|---|---|
目的 | サーバーハードウェアの管理・監視 | ネットワーク機器やシステムの監視・管理 |
監視対象 | サーバー内部の温度、電源、ハードウェア状態 | ネットワーク機器のパフォーマンスやステータス |
利用シーン | サーバーのリモート操作やトラブル検知 | ネットワーク全体の監視や障害通知 |
実装形態 | BMCという専用の管理コントローラ搭載 | ネットワークプロトコルとしてソフトウェアで実装 |
OS依存性 | OSの起動有無に関係なく動作 | OS上のエージェントソフトが必要な場合も |
まとめ:どちらを使うべき?
IPMIはサーバーのハードウェア故障の監視や遠隔操作に最適です。物理的な問題を早期に検知したり、管理者が現地に行かなくても電源操作ができる便利な機能があります。
一方、SNMPはネットワーク全体の健康状態を管理したり、複数の機器をまとめて監視したい場合に使います。ネットワークのトラフィックや稼働状況、障害通知を継続的に受け取りたい時に非常に役立ちます。
実際にはIPMIとSNMPを組み合わせて使うことも多く、目的に合わせて適切な使い分けをするとシステムの安定運用に繋がります。
今回はIPMIとSNMPの違いについて解説しましたが、特にIPMIの「BMC(Baseboard Management Controller)」という専用の管理チップは面白い存在です。BMCはサーバーボードに組み込まれており、サーバーのOSが動いていない状態でもリモート管理を可能にします。つまり、例えばOSがクラッシュしていても電源操作やハードウェアの監視ができるわけです。これがあるおかげで、大規模データセンターの運用が円滑になっています。サーバー管理は表に見えにくい部分も多数ありますが、こうしたハードウェアレベルの技術が支えているんですね。
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