
保健主事と養護教諭の基本的な違い
学校の健康管理を担当する職種として、保健主事と養護教諭という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。どちらも子どもたちの健康を守る役割を担っていますが、その役割や働き方には大きな違いがあります。
まず養護教諭は、正式な教員免許を持ち、学校に常勤して健康管理や応急処置、健康教育を専門的に行います。保健主事は養護教諭がいない小規模な学校や、一時的に養護教諭の代わりを務める場合に任命されることが多く、常勤ではないケースもあります。
このように保健主事は役割のサポート的存在で、養護教諭は専門職として学校保健の中心になります。
保健主事と養護教諭の資格や任命の違い
養護教諭になるには、大学や短大で養護教諭の養成課程を修了し、都道府県教育委員会から教員免許状(養護教諭免許)を受ける必要があります。これは国家資格に近いもので、専門的な知識と技術が求められます。
一方、保健主事は特別な資格は必要なく、健康教育の経験がある教員や職員が選ばれます。基本的には教員免許を持っている人が任命されることが多いですが、保健主事になるだけの免許や資格は不要です。
このため、養護教諭は専門職であり資格が必須、保健主事は学校内で健康管理を担当する教員の役職の一つとして位置づけられています。
違いがわかる仕事内容と役割
養護教諭は学校内で常時勤務し、子どもの健康相談や怪我の手当て、健康診断の実施、衛生管理、健康教育の授業や指導を行います。また、保健室の管理や精神的なサポートも担当し、児童・生徒の健康を総合的に支えます。
それに対し、保健主事は主に担当校の健康管理や健康教育の推進役です。例えば健康診断の準備や結果の整理、健康週間の計画などを担いますが、常駐するわけではありません。また地域的に複数校を担当することもあり、養護教諭の補助的な役割です。
簡単に言うと、養護教諭が学校保健のスペシャリスト、保健主事は健康管理のリーダー的な役割を担っています。
保健主事と養護教諭 違いのまとめ表
項目 | 保健主事 | 養護教諭 |
---|---|---|
資格 | 特別な資格不要(教員が任命される) | 養護教諭免許状が必要 |
役割 | 健康管理の推進役、補助的な立場 | 学校保健の専門家、健康管理の中心 |
勤務形態 | 常勤でないことも多い | 学校に常勤し保健室業務を行う |
仕事内容 | 健康診断の準備・健康教育の企画等 | 応急処置、健康教育、健康相談、保健室管理 |
まとめ
保健主事と養護教諭はどちらも学校の健康を守る大切な存在ですが、資格や仕事内容、勤務形態に大きな違いがあります。
養護教諭は専門的な資格を持ち、常勤で子どもたちの健康を全般的に管理・指導する専門職です。一方保健主事は教職員のなかから健康管理の中心役を任命され、主に健康教育や管理を推進する役割を担います。
子どもたちが安心して学校生活を送るために、この二つの役割がうまく連携することが重要です。
ぜひこの記事を参考に、保健主事と養護教諭の違いを理解し学校保健のしくみを知ってみてください。
養護教諭の「養護」
これは学校だけでなく私たちの生活全体に通じる考え方で、健康を育てて守ることがいかに大切か教えてくれます。