
介護保険と障害福祉サービスとは?基本の違いを理解しよう
まずは介護保険と障害福祉サービスの違いについて、基本から説明します。
介護保険は65歳以上の高齢者、または40歳〜64歳で特定の病気にかかった人が使える制度です。日本の高齢化社会に対応するために作られており、日常生活で介護が必要な方を支えるためのサービスが対象となります。
一方、障害福祉サービスは主に長期間にわたって身体や知的、精神に障害がある人を支えるためのサービスです。年齢は関係なく、障害のある人が自立して生活できるように支援するためのものです。
簡単にまとめると、介護保険は高齢者向けで、障害福祉サービスは障害のある人向けの支援制度と考えられます。
この2つは利用できる人やサービス内容、費用の仕組みが違うため、自分の状況に合った制度を知ることが大切です。
対象者と利用できるサービスの違い
介護保険と障害福祉サービスは対象となる人と利用できるサービス内容に特徴的な違いがあります。
介護保険の対象者は主に65歳以上の高齢者、特定疾患であれば40〜64歳の方も利用可能です。介護度の認定を受けると、訪問介護やデイサービス、ショートステイなど日常生活のサポートを受けられます。
障害福祉サービスの対象者は障害者手帳を持つ身体障害者、知的障害者、精神障害者です。年齢制限はありません。支援内容は生活介護、就労支援、移動支援、自立訓練など幅広く、障害のある人が社会参加しやすくなるよう工夫されています。
それぞれのサービス例を表にまとめるとわかりやすいです。
項目 | 介護保険 | 障害福祉サービス |
---|---|---|
対象者 | 65歳以上、または40〜64歳の特定疾病の人 | 障害者手帳を持つ障害者(身体・知的・精神) |
主なサービス | 訪問介護、デイサービス、ショートステイ | 生活介護、就労支援、移動支援、自立訓練 |
年齢制限 | あり(主に高齢者) | なし |
費用負担や申請方法の違いと気をつけたいポイント
介護保険と障害福祉サービスはどちらも公的制度ですが、費用負担や申請方法に違いがあります。
介護保険では利用者が原則1割〜3割の自己負担をします。所得に応じて負担割合が変わるため、確認が必要です。また、申請は役所の窓口で行い、要介護認定の調査を受けてから認定結果によってサービスが利用できます。
障害福祉サービスは原則無料か低額の自己負担ですが、収入によって負担が変わる場合もあります。申請は障害福祉課などで受け付け、自立支援医療や障害者手帳の交付が利用の前提です。支援内容に応じたサービス利用計画を作成し、支援を受けます。
ポイントは、どちらも手続きに時間がかかることがあるため、早めに相談窓口に問い合わせることが大切です。また、同じ人が両方の制度を利用するときの調整も必要になることがあります。
介護保険と障害福祉サービスの違いの中でも、面白いのは支援の目的にあるんです。介護保険は主に高齢者の生活を助けるために作られましたが、障害福祉サービスは障害のある人がより自立した生活を目指すためのサポートです。
たとえば、障害福祉では就労支援も重視されていて、仕事を続けたり新たに始めたりするための支援があります。一方で介護保険は、身体的に不自由になった人の日常生活を助けることが中心。
つまり同じ“支援”でも、その方向性や内容が利用者の生活状況に合わせて考えられているわけですね。こうした違いを知ることで、自分や家族にあった制度を選びやすくなりますよ。