
結合財務諸表とは何か?
結合財務諸表とは、複数の会社がそれぞれ独立した状態のまま、個別の財務諸表の情報を合算して作成したものです。つまり、グループ企業の財務状況を『単純に足し合わせた』もので、各会社の財務内容をまとめて見ることができます。
わかりやすく言うと、バラバラにある財務情報を1つにまとめた「合計表」のようなものです。ただし、それぞれの会社間の取引やお金の動きを調整する処理は行わず、連結はされていません。
主に中小企業や特定の状況下で利用されることが多く、グループ全体の大まかな財務状況を知りたい時に用いられます。
この結合財務諸表は、各会社が独立して存在したまま、単純に数字を合計表示しているだけなので、実際のグループ全体の資産や負債の正確な全体像を把握するには向いていません。
これに対して、次に説明する連結財務諸表はもう一歩踏み込んだ形となります。
連結財務諸表とは?どんな特徴があるの?
連結財務諸表は、親会社とその子会社など関連会社をまるで一つの会社のように扱い、グループ全体の財務状況を正確に表したものです。
つまり、親会社と子会社間の取引やお金のやり取りを内部取引として「消去」し、グループ全体としての資産や負債、収益、費用を算出します。この内部取引の消去が連結財務諸表の大きな特徴です。
ここまで連結を行うことで、グループ全体としての実態を正しく把握できるため、株主や投資家、金融機関にとって非常に重要な情報となっています。
さらに親会社が子会社の議決権の過半数を持つ場合に作成が義務付けられていることが多く、企業の規模が大きくなればなるほど連結財務諸表の重要性は高まります。
なお、連結財務諸表には「連結貸借対照表」「連結損益計算書」「連結キャッシュフロー計算書」などがあります。
結合財務諸表と連結財務諸表の違いを徹底比較!
では、この2つの財務諸表の違いをわかりやすくまとめてみましょう。
以下の表をご覧ください。
項目 | 結合財務諸表 | 連結財務諸表 |
---|---|---|
目的 | 各会社の財務数字を合算してグループ全体の概要確認 | 親会社と子会社の財務を一体として正確に表現する |
取引の処理 | 内部取引はそのまま表示される | 内部取引は消去し、重複を排除 |
対象企業の関係 | ただの資本関係なしで合算可能 | 親子関係などの支配関係が前提 |
法的義務 | 任意で作成することが多い | 一定規模以上の親会社に作成義務あり |
利用者 | グループ内部や簡易な報告用 | 投資家・金融機関など外部向け |
以上のように、結合財務諸表はシンプルに合計を出したもの、連結財務諸表はグループの実態を詳しく表すために細かい調整が施されている点に大きな違いがあります。
この違いを理解することで、企業の財務情報を見るときの見るべきポイントがわかりやすくなります。
まとめ:どちらを使うべき?
結論として、多くの場面で企業の実態を正確に表した連結財務諸表の方が重要であり、信頼性が高いです。
ただ、企業グループの規模や目的によっては結合財務諸表を用いて簡易的にまとめることもあります。
もしあなたが企業の財務状況を詳しく知りたいなら、連結財務諸表の内容を重視してください。
今回は「結合財務諸表」と「連結財務諸表」の違いについて、わかりやすく解説しました。今後、ニュースや報告書で見かけた際には、今回のポイントを思い出してみてくださいね!
連結財務諸表の話をすると、「内部取引の消去」が特に重要と言われます。実はこれがなければ、大企業グループの数字はぜんぶ二重にカウントされてしまいます。たとえば、親会社が子会社に商品を売って得たお金が、そのまま売上として計上されていたら、グループ全体の本当の利益はよくわかりません。こんな風に、連結財務諸表はグループの内部のやりとりをきちんと取り除いて、実際の経営状態が見えるようにしているんです。こうした細かい調整のおかげで、投資家も安心して企業の状態を判断できるんですよ。