
フレックスタイム制とは?
フレックスタイム制は、働く時間を自分で調整できる制度です。
通常は始業と終業の時間が決まっていますが、フレックスタイム制を使うと、例えば午前10時に仕事を始めて午後7時に終わる、または午前7時から午後4時まで働くなど、
自分の生活や体調に合わせて働く時間を選べます。
この制度は、会社が一定の総労働時間を決め、その範囲内で労働者が自由に出退勤時間を決めることを認めるものです。
そのため、忙しい時間や体調が良い時間帯を活かして効率よく働けることが特徴です。
具体的には、会社が「標準労働時間」と「清算期間」を設定し、その期間内で労働時間が一定になるよう調節していきます。
この方式は家庭の事情や通勤ラッシュを避けたい人に人気があります。
ただし、労働時間は記録され残るので、実際に何時間働いたかを管理する必要があります。
裁量労働制とは?
裁量労働制は、仕事の進め方や働く時間を自分の裁量で決められる制度です。
こちらは実際に働いた時間ではなく、あらかじめ決められた労働時間を働いたとみなします。
例えば、会社が「実際に8時間働いたとみなす」と決めたら、働いた時間が6時間でも10時間でも、その日は8時間働いたことになります。
この制度は主に企画やクリエイティブな仕事、研究開発など、時間にとらわれずに自由に考えて動く必要がある仕事に使われます。
ただし、実際に働く時間が長くなり過ぎると健康への影響もあるため、労働基準法などで一定のルールが設けられています。
また、裁量労働制を使うには労使協定(労働者と会社の約束)が結ばれる必要があります。
そのため全ての会社で簡単に使えるわけではありません。
フレックスタイム制と裁量労働制の違い
両方とも働く時間を柔軟にできる仕組みですが、重要な違いがいくつかあります。
次の表でわかりやすくまとめました。
ポイント | フレックスタイム制 | 裁量労働制 |
---|---|---|
働く時間の管理 | 実際に働いた時間を記録・管理する | あらかじめ決められた時間を働いたとみなす |
労働時間の調整 | 清算期間の中で労働時間の増減を調整可能 | 時間の増減は原則的に認められず、みなし時間で固定 |
適用される仕事 | 事務職や営業など幅広い職種 | 研究、企画、デザイナーなどの専門的職種 |
制度の決定 | 労使協定により制度導入 | 労使協定または労働基準監督署の認定が必要 |
時間外労働の扱い | 実際の時間外労働は割増賃金対象 | みなし時間を超えた時間は割増賃金対象 |
このように、フレックスタイム制は実働時間を記録して柔軟に働く制度で、
裁量労働制はあらかじめ決まった労働時間で働いたことにする制度だと覚えておくとわかりやすいです。
さらに、どちらの制度もメリット・デメリットがあります。
たとえばフレックスタイム制は時間を自由に使える一方で、働きすぎる場合もあるので自己管理が必要です。
裁量労働制では時間管理が簡単ですが、実際に長時間働くこともあり注意が必要です。
会社や仕事の内容に合った制度を理解して、自分の働き方に活かしましょう。
今回の記事で触れた「裁量労働制」、実は働く時間を自由に決められるけど、実際に働いた時間ではなく“決められた時間を働いたとみなす”という少し不思議な制度です。
これは企画や研究などの仕事の特徴を考慮してできたもので、時間ではなく成果や質を重視する考え方に基づいています。
ただし、自由だからこそ長時間労働に陥りやすい一面もあるので、働く人自身のセルフマネジメントが重要です。
この点がなかなか面白いところで、時間の感覚を仕事の進め方にどう活かすかが問われますね。
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