オイル交換 グレード 違いを徹底解説｜合成油・鉱物油・エステルの選び方

---

オイル交換のグレードとは何か？基本を押さえる

車のエンジンオイルにはいくつかの条件があり、その中でも特に重要なのがグレードと呼ばれる表示です。グレードは主に粘度の違いとベースオイルの種類を指します。粘度はオイルの流れやすさを示し、冬の寒さでの始動性や夏の高温時の油膜の厚さに影響します。一般的な表記は SAE粘度 であり、例として0W-20や5W-30といった組み合わせが多く見られます。左側の数字は低温時の粘度を、右側の数字は高温時の粘度を示します。
この粘度表示だけでなく、オイルのベースの違いもグレードの差を作り出します。鉱物油（ミネラル油）、全合成油、部分合成油という3つの分類があり、同じ数字の組み合わせでも耐熱性や耐摩耗性、低温時の流動性には差があります。
まずはここを押さえ、車の取扱説明書に書かれた推奨グレードを中心に選ぶことが基本になります。説明書が示す推奨グレードは、エンジンの設計と使用環境を前提に決められており、それを外れると燃費やエンジン保護の観点から不利になることがあります。
また グレードを変える理由として、シーズンごとに地域の気温が大きく変わる場合や、走行パターンが大きく変化する場合、長期的な車の使用状況を踏まえて適切に選ぶことが大切です。

グレードの違いとエンジンへの影響

ここでは0W-20・5W-30・10W-40といった具体的なグレードの違いが、エンジンの動作や耐久性にどう影響するかを見ていきます。
粘度が低いほど低温時の流れが良く、エンジン始動時の抵抗を減らして燃費を改善する可能性があります。0W-20のような低粘度は現代の多くの車で推奨されますが、高温時には油膜が薄くなるリスクがあるため、ターボ車や高回転走行が多い車では適さない場合もあります。これに対し5W-30は幅広い温度域で安定した油膜を作りやすく、日常使いからスポーツ走行寄りの運転まで比較的対応力が高いと言われます。
このような特性の違いは、エンジンの摩擦を抑えて燃費を改善する一方で、間違ったグレードを長期間使うとエンジン部品の摩耗を早める原因にもなり得ます。
また添加剤の組成にも注意が必要です。オイルは粘度だけでなく、清浄性・耐熱性・酸化安定性・シール材の保護性など多くの性能が絡みます。自分の車に合わない添加剤を含むオイルを使い続けると、エンジン内部の清浄性が落ちたりシールの劣化が早まったりすることがあります。
以下の表は、実際の選択時に役立つ基本的な違いを整理したものです。

able>グレード特徴適した条件代表的な用途0W-20低温時の流れが良い、燃費志向寒冷地・軽自動車・新車燃費重視の現代車5W-30幅広い温度域で安定普通の気候・中距離走行多くの家庭用車の標準グレード10W-40高温域で粘度が高め高温・古い車・高負荷走行耐熱性が求められる車種

実際の選び方とおすすめの考え方

実際にグレードを選ぶときの基本的な手順をまとめます。まず第一に車の取扱説明書を確認することです。設計時に推奨されたグレードが必ずありますから、それを優先してください。次に居住地域の気温・走行環境・走行距離を考慮します。寒冷地では0W-20や5W-20など低粘度が適していることが多い一方、長く高温環境で走る人は5W-30や10W-40が適している場合があります。
さらにオイルの品質とメーカー、オイル交換サイクルの遵守、そして費用対効果を総合的に考えることが大切です。全合成油は初期コストが高いものの、長期的にはエンジン保護と安定した性能をもたらす場合が多いです。
本記事のポイントは、グレードの違いを理解したうえで、車の個性と生活スタイルに合わせて選ぶことです。最後に、迷ったときは信頼できる整備士に相談するのが最も安全な選択です。

ピックアップ解説

ある日、友人と車の話をしていて0W-20という数字の謎に迫った。彼は『0は冬だけ強い粘度だろう？』とすぐに答えを出したが、実はそれだけではないと私は説明した。0W-20の“0”は低温での流れを良くする特性を示す一方、実際には油膜の薄さと燃費の関係、寒暖の気温差、エンジンの設計特性など複数の要素が絡んでいることを伝えた。結局、彼は車の取扱説明書を取り出して推奨グレードを確認し、適切なグレードを選ぶ大切さを実感した。これを機に、私たちは“グレードは数字の羅列ではなく、エンジンを長く守る設計図”だと認識するようになった。

---