
エアハンドリングユニット(AHU)とファンコイルユニット(FCU)の基本とは?
エアハンドリングユニット(AHU)とファンコイルユニット(FCU)は、どちらも空調に使われる機械ですが、機能や役割が大きく異なります。まず、エアハンドリングユニットとは、建物の中に新鮮な空気を取り入れ、温度や湿度を調整して送風する装置のことです。一方、ファンコイルユニットは、屋内に設置され、冷水や温水を使って空気を直接冷やしたり温めたりする装置です。つまり、AHUは空気の処理と搬送を受け持ち、FCUは部屋ごとの温度を細かく調整する役割を持っています。
これらの装置は、快適な室内環境を保つために重要ですが、規模や目的が違うため使い分けられています。例えば、大きなオフィスビルや商業施設にはAHUが使われることが多く、ホテルの各部屋や小規模なオフィスにはFCUがよく使われています。
エアハンドリングユニット(AHU)の特徴と仕組み
エアハンドリングユニットは大型の空調設備で、主に建物全体の空気の管理を担当します。主な機能には以下のようなものがあります。
- 外気の取り入れ:新鮮な空気を取り込みます。
- 空気のろ過:花粉やホコリを除去します。
- 空気の加湿や除湿:湿度の調整が可能です。
- 空気の加熱や冷却:温度をコントロールします。
- 空気の送風:ダクトを通じて室内に空気を送ります。
これらの機能を組み合わせて、建物内の快適な空調環境を作り出しています。
AHUは通常、大きな機械室や屋上に設置されており、ダクトを通じて各部屋へ空気を届けます。つまり、AHUは建物全体の空気質や温度を一括して管理し、全体の空調システムの中枢的な役割を持っているといえます。
ファンコイルユニット(FCU)の特徴と仕組み
ファンコイルユニットは、主に屋内の各部屋に設置される比較的小型の空調装置です。FCUの主な機能は冷水や温水を利用して直接空気を冷やしたり温めたりすることにあります。
具体的には、ファンが空気を吸い込み、水を通す熱交換器に空気を通して温度調整を行い、その空気を部屋に送り出します。FCUは基本的に送風のみで、外気の取り入れや湿度調整は行いません。
FCUは設置が簡単で、部屋ごとの個別の温度調整が得意なため、ホテルやオフィスの個別空間に多く用いられています。部屋ごとの『軽い空調』として便利な装置です。
AHUとFCUの違いを比較表でわかりやすく解説!
項目 | エアハンドリングユニット(AHU) | ファンコイルユニット(FCU) |
---|---|---|
主な役割 | 建物全体の空気の処理と送風 | 部屋ごとの空気の温度調節 |
空気処理能力 | 空気のろ過、加湿、除湿も可能 | ろ過は簡易的。加湿・除湿は不要 |
設置場所 | 機械室や屋上など別室に設置 | 部屋ごとに室内に設置 |
空気の流れ | ダクトを通して給気・排気を管理 | 直接空気を吸い込み送り出す |
規模 | 大型でビル全体向け | 小型で個別部屋向け |
メンテナンス | 専門的で大掛かり | 比較的簡単 |
まとめ:どんなときにAHUとFCUを選ぶべきか?
エアハンドリングユニットは大きな建物の空調管理を一元的に行いたいときに最適です。外気の取り入れや湿度の調整も行うため、空気の質にも気を使う必要がある建物に向いています。
一方、ファンコイルユニットは部屋ごとに微妙な温度調整をしたい場合や、小規模な空間での空調に適しています。導入やメンテナンスも比較的容易なので、ホテルの客室やオフィスの会議室などで多用されています。
簡単に言うと、AHUはビル全体の空気の管理人、FCUは部屋ごとの温度調整担当と覚えておくとわかりやすいでしょう。
これから空調設備を選ぶ際には、建物の規模や用途、管理のしやすさを考えて、AHUとFCUのどちらが適しているかを判断することが大切です。
ファンコイルユニット(FCU)は、個別の部屋で温度調整ができるので、とても便利です。ところが、多くの人が知らないのが、FCUは湿度の調整や新鮮な空気の取り込みができない点です。だから、空気をキレイにしたり湿度をコントロールしたい場合は、別に換気装置や加湿器が必要になります。FCUの機能はあくまで空気の温度を変えることに限られているのが実はポイントなんです。この役割の違いが、建物全体の空調システムの設計に大きな影響を与えていますよ。
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