
イベント管理とは何か?
イベント管理は、ITの現場でシステムやサービスの動作状況を監視して、正常か異常かを把握することを指します。
例えば、サーバーが正常に動いているか、ネットワークに遅延が起きていないかを常にチェックし、問題が発生しそうな予兆を早めに見つけることが目的です。
イベント管理では日々の動作やログを監視し、小さな変化や異常の兆しを捉え、将来的にトラブルになる前に対応することが求められます。
このため、問題が起きる前の状態の情報収集や分析に力を入れているのが特徴です。
イベント管理はトラブル予防のための監視活動そのものと言えるでしょう。
IT運用では、システムがどんな状態なのかを把握するための一番基本的なプロセスです。
例えば、サーバーのCPU使用率が急に上がったり、ディスク容量が減少していればイベントとして検知し、アラームをあげることが多いです。
こうした監視データをもとに、運用担当者は早めの対処を検討します。
そのため、イベント管理は問題発生前の情報の収集や見守りに重きを置いています。
まとめると、イベント管理はシステムの状態を監視・記録し、異常の可能性を察知する活動です。
インシデント管理とは?
一方、インシデント管理は、実際にトラブルが起きた時の対応を指します。
トラブルや障害が発生した場合に、その原因を調査して復旧を目指します。
また、トラブルによる影響を最小限に抑えて、サービスの正常な状態を早く戻すことが重要です。
たとえば、サーバーダウンやシステム障害、ネットワークの断絶などがインシデントにあたります。
インシデント管理の内容は下記の通りです。
- 問題の発見と記録
- 原因の調査と特定
- 復旧策の実施
- 影響範囲の確認
- 再発防止のための対策検討
インシデント管理はシステムのトラブルが実際に発生した後に速やかに対応し、正常な状態に戻すことに集中しているため、イベント管理の後のステップと言えます。
トラブル時の情報共有や報告、緊急対応なども含むことが多く、サービスの信頼性を守る役割を担います。
つまり、インシデント管理は問題が起きた後の問題解決のプロセスと理解するとわかりやすいでしょう。
イベント管理とインシデント管理の違いを表で比較
項目 | イベント管理 | インシデント管理 |
---|---|---|
目的 | システムの状態監視と早期異常検知 | 発生したトラブルの迅速な解決 |
対象 | 正常・異常を含む全てのシステムイベント | 具体的な障害や問題 |
対応のタイミング | 問題発生前や兆候の段階 | 問題発生後 |
主な作業 | 監視、記録、アラート設定 | 原因調査、対応、復旧、報告 |
利用されるツール | 監視ツール(例:Zabbix、Nagios) | インシデント管理システム(例:ServiceNow、Jira Service Desk) |
まとめ
イベント管理とインシデント管理はIT運用においてとても重要なプロセスですが、その役割は違います。
イベント管理はシステムの状態を継続的に見守り、異常の兆しを早期に察知することが特徴です。
一方で、インシデント管理は実際にトラブルが起きた後、それを速やかに解決し復旧させることに注力しています。
この2つが上手く連携することで、ITシステムの安定運用が可能になります。
普段からイベント管理で異常を見逃さず、もしもの時は迅速なインシデント管理で対応することが、信頼性の高いサービスを支えるカギです。
ぜひ、両者の違いと役割を理解して、効果的なIT運用に役立ててください。
イベント管理でよく使われる監視ツールとしてZabbixやNagiosがありますが、実はこれらのツールはただの "監視" だけでなく、自動でアラートを出したり、問題の兆候を分析したりする高度な機能も持っているんです。
たとえば、単なるCPU使用率の監視ではなく、通常とは違う急激な変化を検出して、前もって担当者へ知らせることができます。
このようにイベント管理は単純な見張り役ではなく、ITシステムの健康状態を proactive(先回り)で守る重要な役割を果たしています。
だからこそ、イベント管理ツールの選び方や設定がとても大切なんですね。
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