
MRCPとMRIって何?基本をわかりやすく理解しよう
医療の現場ではよく聞く「MRCP」と「MRI」。これらはどちらも医療画像検査の一種ですが、目的や撮影方法には違いがあります。
まず、MRI(Magnetic Resonance Imaging)は日本語で「磁気共鳴画像法」と呼ばれ、強い磁石と電波を使って体の内部を画像化します。脳や筋肉、関節など体のさまざまな部分を見ることができます。
一方、MRCP(Magnetic Resonance Cholangiopancreatography)はMRIの技術の一部を使って特に胆管や膵管(すいかん)と呼ばれる管の状態を詳しく撮影する検査です。胆管や膵管のつまりや炎症を調べるときに用いられます。
つまり、MRCPはMRIの一種ですが、内臓の特定の部分に焦点を当てた検査だと覚えましょう。
MRCPとMRIの違いを詳しく比較!特徴を表でまとめました
ここでは、MRCPとMRIの主な違いをわかりやすく表にまとめてみました。これを見れば一目瞭然です。
検査名 | 目的 | 撮影対象 | 使用部位 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
MRI | 体のあらゆる部位の画像診断 | 脳、筋肉、関節、臓器全般 | 全身 | 磁石と電波で組織を詳細に撮影。造影剤を使う場合もある。 |
MRCP | 胆管・膵管の異常検査 | 胆管、膵管、肝臓付近 | 腹部 | 胆汁の流れや管の詰まりを非侵襲的に調べる。造影剤不要。 |
どちらの検査も痛みがなく安全ですが、MRCPは胆汁や膵液の流れを画像で確認できるため、胆石や膵炎の診断に特に効果的です。
一方、MRIは全身の様々な疾患を調べる万能検査と言えます。
MRCPとMRI どんな時に使い分けるの?医師が判断するポイント
医療現場では患者さんの症状や疑われる病気によって、MRCPかMRIか使い分けがされます。
例えば、お腹の痛みや黄疸(おうだん:肌や目の白い部分が黄色くなる症状)がある場合、胆管や膵管の詰まりを調べるためにMRCPが優先されます。これはMRCPが胆道系をとても詳しく映し出せるためです。
一方、脳の病気や筋肉の損傷が疑われる場合は、身体の幅広い部分を撮影できるMRIが適しています。
また、造影剤という薬を使うことがありますが、MRCPでは不要で、MRI検査のうち特定の検査で使われます。造影剤を使うことで画像の鮮明さや病変の確認が高まります。
MRCPはMRIの一種ですが、特に胆管や膵管の映像を鮮明に映し出す検査として知られています。
胆管や膵管は体の中でも細くて複雑な管なので、普通のMRIだと見えにくいのです。
MRCPはこの部分を液体(水分)の流れとしてとらえ、まるで管の中をのぞくように画像化できるので胆石や詰まりの診断に非常に役立ちます。
医療の世界で「管を映すMRI」というイメージをもつとわかりやすいですね。
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