
DFDとは何か?
まずは、DFD(データフローダイアグラム)について説明します。DFDはシステムの中でデータがどう動くか、どこから来てどこへ行くのかを図に表したものです。
例えば、学校の図書館のシステムを考えると、借りたい本の情報が利用者からシステムへ入り、貸し出し処理が行われて、結果が利用者に返される流れがわかります。DFDはこのようなデータの流れだけに注目して、システムの全体像を簡単に見せてくれます。
DFDはシンプルな記号で表現され、主に「プロセス」「データストア(保存場所)」「外部エンティティ(システムの外側の人や他のシステム)」「データフロー(データの動き)」の4つの要素で構成されています。
これにより、複雑なシステムでもどんなデータがやり取りされているかが一目でわかるため、システムの設計や改善のときにとても役立つツールです。
UMLとは何か?
次にUML(統一モデリング言語)について説明します。UMLはソフトウェアやシステムの設計を図で描くための総合的な言語で、色々な種類の図があります。
UMLの特徴は、システムの様々な側面を詳しく表現できることです。例えば、クラス図でオブジェクトの設計を表したり、シーケンス図でメッセージのやり取りを示したりできます。
そのため、UMLはプログラムの内部の構造から動きまで、システム全体を細かく伝えたい場合に使われます。各図は専門的に決まった記号やルールに従っていて、エンジニア同士の共通言語としても機能しています。
UMLはオブジェクト指向設計と深く関係しており、JavaやC++などのプログラミングにも対応しやすいように作られています。
DFDとUMLの違いとは?
DFDとUMLはどちらもシステムの設計に使いますが、目的や表現方法がかなり違います。
ポイント | DFD | UML |
---|---|---|
目的 | データの流れをわかりやすく表現 | システムの構造や振る舞いを詳細に表現 |
表現方法 | シンプルな流れ図(プロセス・データフロー) | 複数の種類の図で多角的に表現 |
対象範囲 | システムのデータのやり取りや処理の流れ | システム全体の設計、クラスやオブジェクト間の関係 |
使用者 | 主にシステム設計者やビジネスアナリスト | ソフトウェア開発者やエンジニア |
適用される設計手法 | 手続き型設計に向いている | オブジェクト指向設計向け |
つまり、DFDは「システムの中でデータがどんな風に動くか」を簡潔に示すのに対し、UMLは「システムの部品がどんなつながりか」や「システムがどう動くか」まで詳しく書けるということです。
まとめ:どちらを使えばいいの?
初心者の場合、まずはDFDでシステムの大まかな流れを理解することをおすすめします。DFDは記号も少なくシンプルなので、システムにとても詳しくない人でもイメージが湧きやすいからです。
一方で、プログラミングやより詳しい設計が必要な時はUMLが役立ちます。UMLはたくさんの図を組み合わせられて、作りたいシステムの「青写真」を細かく示せるため、複雑なシステム作成に適しています。
両方を上手に使い分けられると、システムの全体像から細かい設計までスムーズに進めることができるでしょう。
ぜひ、DFDとUMLそれぞれの特徴を理解して、あなたの設計作業に活かしてみてください!
DFDの特徴の一つは、システムのデータの動きをわかりやすくシンプルに表現できるところです。実は、この簡潔さが逆に誤解を生むこともあるんです。例えば、システムの処理の細かい部分までは描かないため、『どのように処理されているか』は不明確になることがあります。
だから、DFDはシステム全体の流れを示すにはピッタリですが、詳細設計やプログラムを書く段階では、やっぱりUMLみたいな詳しいモデルが求められるんですね。
このバランス感覚が、エンジニアにはとても大切な視点だったりします。