
エンティティとドメインの基本的な意味とは?
まずは、エンティティとドメインそれぞれの意味から見ていきましょう。
エンティティとは、簡単に言うと「実在するものや概念」を指します。例えば、人や商品、場所、出来事など、データベースやシステムで管理したい具体的な対象のことです。
一方、ドメインは「特定の問題や活動の範囲」を意味します。例えば、学校のドメインなら、生徒情報や成績管理など学校に関わる業務全体を指すことが多いです。
この二つは似ているようで、扱う範囲や視点が違う言葉です。エンティティは「個別の対象」、ドメインは「その対象が属する広い分野」と覚えると分かりやすいでしょう。
エンティティとドメインの違いを具体例で比較
違いをもっとはっきりさせるために、具体例を考えてみます。
例えば、通販サイトを例に取ると・・・
・ドメイン:通販サイト全体のビジネス領域。商品の仕入れから、注文、配送、顧客管理までを含みます。
・エンティティ:顧客、商品、注文、配送先、支払情報など、ドメイン内で管理する具体的なデータのことです。
このように、ドメインはビジネスや問題の「枠組み」を表し、エンティティはその枠組みの中で扱う「具体的なもの」を指しているのがわかります。下記の表でも整理してみましょう。用語 意味 例(通販サイトの場合) ドメイン 問題や業務の範囲・領域 商品販売や注文処理を含む通販サイト全体 エンティティ 具体的な対象や実体 顧客、商品、注文、配送先、支払情報など
なぜ違いを理解することが大切なのか?
エンティティとドメインの違いをきちんと理解することは、ソフトウェア開発やシステム設計にとても重要です。
ドメインを理解すると、どんな業務を対象にするのかがわかるため、何を実装すればいいのかの全体像が掴めます。
一方で、エンティティを理解すると、その業務の中で扱う必要のあるデータや情報が何かを整理できます。
この違いをきちんと区別しないと、情報の整理ができず、設計が曖昧になってしまいます。結果としてバグや誤解が生まれやすく、開発の効率も落ちるのです。
だからこそ、システム開発ではドメインの全体像を捉えたうえで、エンティティを明確に設計することが求められます。
今回は「エンティティ」についてちょっと面白い話をしましょう。エンティティという言葉は元々ラテン語の"entitas"(存在)から来ています。つまり、エンティティは単なるデータではなく"独立した存在"という意味合いが強いんです。だからプログラミングやデータベースの世界では、エンティティは単なる名前や数字の集合ではなく、「意味のある独立したもの」として扱われます。この考え方が理解できると、プログラムの構造や設計もしっかり組み立てられますね。
次の記事: エンティティとリポジトリの違いとは?初心者でもわかる基本解説 »