
スウェーデン式サウンディング試験と標準貫入試験とは?
地盤を調べるときによく使われる方法に「スウェーデン式サウンディング試験」と「標準貫入試験」があります。これらは地耐力や地盤の強さを知るための調査方法で、建物を建てる前にとても重要です。
スウェーデン式サウンディング試験は軽量で簡単に使える機械で、主に土の硬さや支持力を調べる方法です。一方、標準貫入試験は重いハンマーで試験棒を地面に打ち込んで、地盤の硬さや堅さを詳しく調べる方法です。それぞれ特徴が違い、調査内容や場所によって使い分けられています。
この記事では両者の違いや特徴について、わかりやすく説明していきます。
スウェーデン式サウンディング試験の特徴
スウェーデン式サウンディング試験は、専用の機械で錐先(すいさき)付きの棒を地面に押し込みながら回転させる方法です。測定には軽い機械を使い、荷重を変えながら地盤の抵抗力を調べます。
特徴としては、
- 試験機材が軽くて持ち運びしやすい
- 短時間で現場調査が可能
- 小規模な土地や軟弱な地盤に向いている
- 杭の支持力判定にも利用される
また、試験深さが浅い場合でも正確な地盤の状況がわかるため、住宅地などで多く用いられています。ただし、硬い地盤や岩盤付近では測定が難しいことがあります。
標準貫入試験の特徴
標準貫入試験は、直径約5cmの試験管を先端に持ち、63.5kgのハンマーを約76cmの高さから自由落下させて地面に打ち込む方法です。打撃回数で何cm地面に入ったかを測ることで、地盤の硬さを数値化します。
この試験は、
- 比較的深い地盤調査ができる
- 硬い地盤や砂質地盤の調査に適している
- データが国際的に標準化されているため信頼性が高い
- 各種土質の判別に利用可能
一方で、機材が大型で重く作業がやや大変なこと、地盤を押し固めてしまう可能性があることがデメリットです。
スウェーデン式サウンディング試験と標準貫入試験の違いを比較表で解説
項目 | スウェーデン式サウンディング試験 | 標準貫入試験 |
---|---|---|
使用機材 | 軽量の回転式連続押込機 | 重いハンマーと試験管を用いる打撃式 |
調査深度 | 浅い〜中程度(一般的に数mまで) | 中程度〜深い(10m以上も可能) |
適応地盤 | 軟らかい土や粘性土 | 砂質土や硬い土層 |
作業時間 | 短時間で済む | 比較的長時間かかる |
利点 | 簡単・迅速でコストが低い | 国際基準あり、信頼性が高い |
欠点 | 硬い地盤では正確な測定困難 | 機材が重く設置や搬入が大変 |
使い分けのポイントとまとめ
スウェーデン式サウンディング試験は、住宅地など小規模な場所や軟弱な土壌の調査に向いています。機器が軽く短時間に測定できるためコストも抑えられます。
標準貫入試験は、砂質土や硬い地盤の調査、また深い位置までの地盤性状を調べる場合に優れています。国際的に使われる標準的な方法で、信頼性が高いのも特徴です。
工事の種類や土地の条件によって、この2つの試験は使い分けられます。
安全な建物を建てるためには、適切な調査方法を選ぶことが大切です。
ぜひ今回の違いを参考にして、理解を深めてみてください。
スウェーデン式サウンディング試験はその名前からスウェーデン発祥と思いがちですが、実は日本で独自に発展した方法なんです。持ち運びが簡単で短時間で調査できるため、特に住宅地などでよく利用されています。ところが、硬い地盤には向かないため、その場合は標準貫入試験を選ぶことが多いです。このような使い分けが技術者の腕の見せどころですね!