
ランダムフォレストと勾配ブースティングとは?
まず、ランダムフォレストと
勾配ブースティングはどちらも機械学習の中でも特に使われる決定木を使った方法です。
簡単に言うと、決定木とはたくさんの質問を順番にしながら答えを予測する「木」のような仕組みです。
それをたくさん集めて賢くする方法がランダムフォレストと勾配ブースティングです。
ここではその違いと特徴を中学生でもわかるように説明します。
ランダムフォレストとは?
ランダムフォレストは、たくさんの決定木をバラバラに作って、それらの結果を平均したり、多数決で決める方法です。
それぞれの決定木は少しずつ違うデータを使って学習しています。
例えば、データの一部だけをランダムに選んで学ぶので、
全部の決定木が同じ答えをしにくくなっています。
これが「ランダム」の名前の由来です。
こうすることで、一つの決定木の誤りを他の決定木がカバーして、
全体としてはより正しい予測ができます。
例えるなら、クラスでみんなに質問して、みんなの答えの中で一番多い意見を選ぶような感じです。
この方法は、速くて安定した結果を出しやすい特徴があります。
だから、たくさんのデータや質問がある問題でよく使われます。
勾配ブースティングとは?
一方、勾配ブースティングは「弱い」決定木を順番に作り、前の決定木が間違えたところを次の木で直していく方法です。
こちらは、決定木を一つずつ「直列」に作っていきます。
最初は簡単な決定木で学習しますが、間違えた部分が残ってしまいます。
そこで次の決定木はその間違った部分を重点的に学習します。
こうして少しずつ正しい予測へと近づけていくのが勾配ブースティングです。
名前の「勾配」とは、数学の微分の考え方で、エラーを減らす方向へ進むイメージです。
この方法は精度がとても高いのですが、
学習に時間がかかりやすく、過学習(学習しすぎて新しいデータに弱くなる)に注意が必要です。
ランダムフォレストと勾配ブースティングの違い表
それぞれの特徴を比べると分かりやすいので、以下の表をご覧ください。
特徴 | ランダムフォレスト | 勾配ブースティング |
---|---|---|
学習方法 | 複数の決定木を独立して作成し結果を平均化・多数決 | 決定木を順番に作り、前のミスを修正しながら学習 |
予測の仕組み | 全ての木の予測をまとめて決定 | 木の予測を加算して最終予測 |
スピード | 比較的速い | 遅め(順番に学習するため) |
精度 | 高いが勾配ブースティングには劣る場合も | 非常に高い |
過学習のリスク | 少ない | 比較的高い |
使いどころ | 初心者、速さ重視、大規模データ | 精度重視、小~中規模データ |
まとめ:どちらを選ぶべき?
ランダムフォレストは、学習が分かりやすく速いので、
機械学習を始めたての人や、大量のデータを迅速に処理したいときにぴったりです。
また、結果が安定しやすいので失敗しにくいです。
一方、勾配ブースティングは、
より正確な予測を目指すときに向いています。
少し時間はかかりますが、工夫次第でとても高精度なモデルを作れます。
ただし、使いこなすためには調整や理解が必要です。
どちらもとても重要な技術なので、目的や環境に合わせて使い分けることが大切です。
理解を深めて、色々試してみると良いでしょう。
ランダムフォレストって、実は「ランダム」に選ぶのがポイントなんです。みんなが質問箱に答える時、同じ質問ばかりだと同じ答えばかりになりがち。でも、一人ひとり違う質問を少しずつすることで、違った意見が集まる。これがランダムフォレストの強みで、個別の決定木がバラバラに学習することで、全体として丈夫な予測ができるんですよ。面白いですよね!
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