
国家賠償請求権とは?基本をじっくり解説
国家賠償請求権とは、簡単にいうと、国や地方公共団体などの行政機関が不法に人の権利や財産を侵害した場合に、それによって生じた損害を被害者が国に対して賠償(お金で補償)を求める権利のことです。
たとえば、国の公務員が仕事を間違えてあなたの家のものを壊してしまったり、違法な取り締まりで損害を受けた場合に請求できる権利がこれに当たります。
この制度は日本の国家賠償法という法律によって定められていて、被害者が保護される仕組みになっています。
被害者は国家に対して直接賠償請求を行い、公務員の過失や違法行為があったかを証明する必要があります。
この請求権は、国や自治体が法律に違反した行為をしたときだけ使える特別な権利です。
損害賠償請求権とは?幅広い損害の補償を受けるための権利
一方、損害賠償請求権とは、あらゆる損害が発生した場合に、その損害を与えた相手に対して補償を求める権利のことです。
たとえば、友だちがあなたのゲーム機を壊してしまった場合や、交通事故で車が壊れた場合に請求できるのがこれです。
この権利は民法という法律に基づいており、個人や会社など特定の相手から損害を与えられたときに使います。
損害賠償は、契約違反や不法行為(故意や過失)に対して求められ、相手に故意や過失があったか、損害が直接その行為によるものであるかを証明することが必要です。
つまり、「損害賠償請求権」は個人同士はもちろん、会社や団体なども含んだ一般的な損害補償の権利と言えます。
国家賠償請求権と損害賠償請求権の主な違いをまとめてみよう
ここまで説明した内容を簡単に表にまとめてみましょう。
違いのポイント | 国家賠償請求権 | 損害賠償請求権 |
---|---|---|
対象 | 国や地方公共団体(行政機関) | 個人、会社、団体などの一般的な相手 |
法律の根拠 | 国家賠償法 | 民法(不法行為や契約違反) |
対象となる損害 | 公務員の違法行為による損害 | 故意や過失による損害一般 |
請求の条件 | 公務員の違法行為の証明が必要 | 相手の過失や故意、因果関係の証明が必要 |
このように、国家賠償請求権は特に国や行政機関が関わるケースで使われ、一方で損害賠償請求権はもっと幅広く使われる権利なのです。
国家賠償請求権についての面白い話ですが、実はこの権利が認められるには「公務員の違法な行為」があることが条件です。だから、ちょっとしたミスや過失だけでは国家賠償が認められない場合も多いんですよ。例えば、公務員が法律に従って行った処置で被害が出たとしても、それは違法ではないので賠償請求はできません。このライン引きが難しく、国家賠償請求権はとても特別で使うのにハードルが高いと言えますね。
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