
不当利得と損害賠償請求の基本的な違いとは?
みなさんは「不当利得」と「損害賠償請求」という言葉を聞いたことがありますか?法律の話になると難しく感じるかもしれませんが、実は簡単に理解できます。
不当利得とは、本来得るはずのない利益を不正に得てしまうことを意味します。例えば、誰かが誤ってあなたにお金を振り込んでしまい、そのお金を返さずに使ってしまった場合がこれにあたります。
一方、損害賠償請求は、何かの事故や過失により損害(例えば物が壊れたり、怪我をしたり)を受けた際に、その損害を与えた人に対して損害分の金銭を請求する行為です。つまり、被害者が自分の被った損害をお金で埋め合わせてもらうことを目的としています。
このように、不当利得は相手が不正に得た利益を返してもらうことで、損害賠償請求はこちらが被った損害を補てんしてもらうためのものです。
具体例と法律の違いを表で比較
言葉だけではわかりにくいかもしれませんので、具体例と法律上の違いを表で整理してみましょう。
ポイント | 不当利得 | 損害賠償請求 |
---|---|---|
対象 | 不正に得た利益 (持ち主に返すべきもの) | 受けた損害 (損害の埋め合わせ) |
請求の趣旨 | 利益の返還 | 損害の補てん |
発生原因 | 不法理由なく利益を得た場合 | 他人の行為による損害発生 |
法律上の根拠 | 民法第703条(不当利得返還請求) | 民法第709条(損害賠償請求権) |
損害の有無 | 損害は必要ない | 損害があることが必須 |
このように、損害の有無や請求の目的が異なっています。損害が発生していなくても、不正に利益を得ている場合は不当利得の返還請求が成り立ちます。一方で、損害賠償請求は必ず損害があって初めて請求できます。
「不当利得」という言葉は聞きなれないかもしれませんが、よく考えると日常のトラブルにも関係します。例えば、誰かが誤って多くお金を振り込んでしまったら、その分を返すのが当然ですよね?これが不当利得の原則です。つまり、不正に得た利益を正すための法律の仕組みなのです。よく似ている損害賠償とは違い、被害がなくても使ったら返すべきものがあることを意味しています。身近なトラブルやお金のやりとりで役立つ知識ですよ!
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