
統合失調症と自律神経失調症とは何か?
まずは統合失調症と自律神経失調症がそれぞれどのような病気なのかを簡単に説明しましょう。
統合失調症は、主に脳の働きの問題で起こる精神の病気です。現実と自分の心の中が区別しにくくなり、幻覚や妄想、考えがまとまらないといった症状があらわれます。中学生でも分かるように言うと、頭の中が混乱してしまい、思ったことと違うことを信じてしまうこともあります。
一方で、自律神経失調症は身体の調子に関わります。自律神経という、たとえば心臓を動かしたり、汗をかいたりする体の働きをコントロールする神経のバランスが崩れてしまう病気です。そのせいで、疲れやすかったり、動悸がしたり、体の調子が悪く感じることがあります。でも、精神的な病気とは違い、意識があやふやになるようなことは通常ありません。
主な症状の違い
統合失調症の症状は主に精神面の異常です。例えば、幻聴(誰も聞こえない声が聞こえる)、幻視(見えないものが見える)、妄想(事実と異なる強い考え)、考えがまとまらない、感情がうまく表現できないなどが特徴です。
それに対して、自律神経失調症の症状は身体の不調が中心です。具体的には、動悸、めまい、汗が出る、頭痛、胃腸の不調、肩こり、不眠など多様な体の不調が現れます。これらは自律神経のバランスが乱れることから起こるのです。
このように、統合失調症は心の世界にかかわる問題が大きく、自律神経失調症は体の調子にかかわる問題が目立つのが大きな違いです。
原因と診断の違い
統合失調症の原因は、遺伝や環境、脳の神経伝達物質の異常など、まだ完全にはわかっていませんが、脳の働きの問題だと考えられています。診断は精神科医が症状のうかがいや検査を通して行います。
自律神経失調症の原因はストレスや生活リズムの乱れ、過労などが主です。診断は内科的検査でほかの病気がないか調べたうえで、自律神経の乱れと判断されます。
以下の表に簡単にまとめました。
治療方法の違い
統合失調症は主に抗精神病薬という薬で治療が行われます。これらの薬は脳の神経の働きを調整し、幻聴や妄想などの精神症状を軽くしてくれます。薬のほかにカウンセリングや社会復帰のサポートも大切です。
一方、自律神経失調症は生活習慣の改善とストレスのコントロールが基本となります。睡眠をしっかりとることや、バランスの良い食事、適度な運動が効果的です。必要に応じて症状に合わせて薬も使いますが、主体は生活の工夫です。
このように治療も大きく違うため、正しい診断と治療がとても大切になります。
まとめ:違いを知って正しく対応しよう
統合失調症と自律神経失調症は名前は似ていますが、原因も症状も治療法も大きく異なる病気です。
・統合失調症は精神の病気で、幻覚や妄想などが特徴
・自律神経失調症は体の神経のバランスが乱れて起きる体調不良が主
どちらかと思ったら自己判断せず、専門の医師に相談することが必要です。正しい理解と対応で、心と体の健康を守りましょう。
ところで、「自律神経」って聞くと難しそうに感じませんか?実は自律神経は、意識しなくても体の色んな働きを調整してくれる“すごい神経”なんです。たとえば、心臓を動かしたり、呼吸をしたり、汗をかくのもこれのおかげ。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つに分かれていて、体のスイッチのONとOFFのような役割をしています。ストレスや疲れでこのバランスが崩れると、すぐに体の調子に影響が出ちゃうんですよ。それが自律神経失調症の正体。
だから、疲れているときは無理せず休むことが、実は自律神経を整える一番の方法なんです。
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