
CIDRとサブネットの基本的な違いとは?
ネットワークの世界でよく出てくる「CIDR(サイダー)」と「サブネット」は、一見似ている言葉ですが、その意味や使い方には明確な違いがあります。
簡単に言うと、CIDRはIPアドレスの割り当てを柔軟に行うための方式であり、サブネットは大きなネットワークを小さく分割する仕組みです。
具体的には、「192.168.0.0/24」の表記がCIDRで使われる代表例で、この「/24」がネットワーク部分の長さを示し、同じ範囲のIPアドレスをまとめて管理します。
それに対し、「サブネット」は例えば「192.168.0.0」を複数の小さなネットワークに分けて、それぞれ独立したネットワークとして運用することを指します。
CIDRは、従来のクラスフルなIPアドレス(Aクラス・Bクラス・Cクラス)にこだわらずに必要な数だけアドレスを割り振ることを可能にした方式で、サブネットはそんなCIDRを利用して効率よく分割したネットワーク単位と考えるとわかりやすいでしょう。
このように、CIDRとサブネットは密接に関係しているものの、CIDRが「広くIPアドレス管理の方法」を示すのに対して、サブネットは「そのCIDRの中で作られたネットワークの分割」という役割があります。
CIDRのメリットと仕組みについて詳しく解説
CIDRは「Classless Inter-Domain Routing」の略で、「クラスレス経路指定方式」と呼ばれています。
以前はIPアドレスはクラスA、B、Cという3つのクラスに分かれて割り振られていましたが、それではネットワークの無駄が多かったのです。
CIDRはその問題を解決するために考えられ、IPアドレスに「/(スラッシュ)」の後ろに数字をつけて、ネットワーク部の長さを自由に指定できるようになりました。
例えば、「192.168.1.0/24」はネットワーク部が24ビットで、残り8ビットがホスト部(機器1つ1つに割り振られる番号)となります。
このシステムの最大のメリットはアドレスを必要な分だけ割り当てられることです。
大量のIPアドレスを効率よく使えるため、インターネット全体のアドレスの節約や管理の簡略化が可能になりました。
また、CIDRはルーティング(ネットワーク間の通信経路の選び方)でも活躍し、ルーターが大量の経路情報をまとめて扱いやすくします。
こうした特徴のおかげで、現在のインターネットの規模拡大に欠かせない技術となっているんです。
サブネットの具体的な使い方と例
サブネットは1つの大きなネットワークを複数の小さなネットワークに分割することを指します。
例えば会社のネットワークで考えてみましょう。
「192.168.1.0/24」のネットワークを営業部と開発部に分けたい場合、サブネットを使って「192.168.1.0/25」と「192.168.1.128/25」という2つの小さなネットワークを作れます。
それぞれが独立したネットワークとして運用でき、セキュリティや管理がしやすくなります。
表:CIDRとサブネットの比較例
項目 | CIDR | サブネット |
---|---|---|
定義 | IPアドレスの割り当て方式 | ネットワークの分割方法 |
目的 | 効率的なアドレス管理 | ネットワークの分離と管理しやすさ |
表記例 | 192.168.0.0/24 | 192.168.0.0/26など(CIDR表記も使用) |
使い方 | IPアドレス範囲を柔軟に振り分ける | 大きなネットワークを小分割 |
こうした分割のおかげで、部署ごとにアクセス制限を設けたり問題が起きたときに影響範囲を限定したりできます。
また、サブネットはCIDR表記を使って設定するため、2つはセットで理解するとネットワーク構築をうまく進めやすいのです。
ネットワークの話をすると、CIDRとサブネットがよく一緒に出てきますが、実はCIDRはIPアドレスの範囲の指定方法のことで、サブネットはそれを使って作られた『小さなネットワーク』のことなんです。
言ってみれば、CIDRは『土地の区画割り』の設計図の役割を持ち、サブネットはその設計図をもとに作った実際の『地域』みたいなもの。
だからCIDRを理解すると、サブネットの分割もスムーズにイメージできて、一緒に覚えると便利ですよ。
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