
プロトコル番号とポート番号とは何か?
インターネットやコンピュータのネットワークを使うときに、よく「プロトコル番号」や「ポート番号」という言葉を耳にします。
でも、この二つは何が違うの? そう思う人も多いでしょう。
まずはそれぞれの意味をわかりやすく説明します。
プロトコル番号とは、ネットワーク上でデータのやり取りを行うときに使う通信ルール(プロトコル)を識別するための番号です。
例えば、IPパケットの中にどんな種類のデータが入っているかを示すために使われます。
一方、ポート番号は、通信を行うコンピュータの中の「どのアプリケーションやサービス」にデータを届けるかを指定する番号です。
例えば、ウェブサイトを見るときのHTTPは通常「ポート80」、メールの場合は「ポート25」など、通信の出口や入り口の番地のような役割を果たします。
つまり、プロトコル番号は通信の方法や種類を示し、ポート番号はその中の通信先やサービスを示すものです。
プロトコル番号とポート番号の役割の違い
次に、それぞれの番号がネットワーク通信でどんな役割を担っているかを詳しく見ていきましょう。
まずプロトコル番号は、IP(インターネットプロトコル)パケットのヘッダーにあるフィールドの一つです。
主に使用されるプロトコルには、TCP(プロトコル番号6)やUDP(プロトコル番号17)などがあります。
この番号を見れば、「このパケットはTCP通信ですよ」とか「この通信はUDPで行ってますよ」とシステムがすぐに理解できます。
つまり、データの送り方や扱い方を決める通信規則の種類を識別するために使います。
一方ポート番号は、そのプロトコルで使われるTCPまたはUDPのヘッダーに含まれる数字で、コンピュータのどのプログラムやサービスが通信を受け取るかを表します。
例えば、「TCPの80番ポート」はHTTP(ウェブ通信)、「UDPの53番ポート」はDNS(ドメイン名をIPアドレスに変換するサービス)など、ポート番号を見ることで、通信の送り先や使われているサービスが分かるようになっています。
このように、プロトコル番号は「通信の種類」、ポート番号は「通信の受け取り先」を決める重要な要素です。
プロトコル番号とポート番号の具体例とまとめ表
では、実際の番号とそれに対応するプロトコルやサービスをいくつか紹介します。
区分 | 番号 | 説明 |
---|---|---|
プロトコル番号 | 6 | TCP(信頼性の高い通信を行うプロトコル) |
プロトコル番号 | 17 | UDP(高速だが信頼性が低いプロトコル) |
ポート番号(TCP) | 80 | HTTP(ウェブページ閲覧用) |
ポート番号(TCP) | 443 | HTTPS(暗号化されたウェブ通信) |
ポート番号(UDP) | 53 | DNS(ドメイン名解決サービス) |
このように、プロトコル番号とポート番号はそれぞれ別の目的を持った数字です。
プロトコル番号は通信方法や仕様を決めるために使い、ポート番号は通信したいサービスやアプリを特定するためにあると覚えましょう。
両方を理解することで、ネットワークの仕組みがよりよくわかり、エラーやトラブルの原因分析も行いやすくなります。
ポート番号はよく『通信の入口や出口の番号』と説明されますが、実は『0』から『65535』まであり、その中でも「0〜1023」は『ウェルノウンポート』と呼ばれ、HTTPやFTPなど世界的に決まった番号が割り当てられています。
一方、1024〜49151は登録済みポートで、企業やサービスごとに申請して使い、49152〜65535は『プライベートポート』や『エフェメラルポート』と呼ばれ、一時的に使われることが多いんです。
この仕組みはネットワーク通信の整理や安全性向上に重要で、まるで街の住所や電話番号のように、ポート番号にも階層やルールがあるんですね。