
FTAと特性要因図とは何か?基本の理解から始めよう
皆さんは、問題を解決する時にどんな方法を使っていますか?
FTA(Fault Tree Analysis)と特性要因図(魚の骨図、フィッシュボーン図)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?どちらも問題の原因を探るための手法ですが、使い方や目的は少し違います。
FTAは、原因を論理的にツリー状に整理することで、重大なトラブルの根本原因を分析する方法です。
一方、特性要因図は、問題の原因を大きなカテゴリーに分け、視覚的に整理して原因を探りやすくする図のことです。
この二つの基本を理解することで、問題解決がよりスムーズになります!
今回はその違いをわかりやすく解説します。
FTA(Fault Tree Analysis)の特徴と使い方
FTAとは「故障の木解析」と呼ばれ、トラブルや事故の原因を論理的に細かく分解していく手法です。
主な特徴は以下の通りです。
- 論理的な原因分析:原因同士の関係をAND・ORゲートで表現する
- トップダウン方式:最初に問題(トップイベント)を決めて、そこから原因を掘り下げていく
- 複雑な故障や事故の解析に適している:特に安全管理や品質管理の分野で利用される
例えば、自転車のブレーキが効かないという問題があったら、その原因となる部品の故障や操作ミスを因果関係で図示し明らかにします。
大きな事故やシステム障害の根本原因を特定しやすいため、製造業の安全管理や原子力発電所の事故防止でも使われています。
特性要因図(魚の骨図)とは?問題の原因を体系的に整理しよう
特性要因図は、「魚の骨」や「フィッシュボーン図」とも呼ばれ、
原因を体系的に分けて視覚化することで、多くの原因を漏れなく洗い出せるツールです。
特徴は以下です。
- 原因のカテゴリー分け:主に「人」「方法」「材料」「機械」「環境」などに分類
- ブレインストーミングに適している:みんなで原因を出し合う時に使いやすい
- 視覚的に原因を確認できる:問題の全体像が一目でわかる
例えば、学校での成績が悪い原因を人(本人の努力)、方法(勉強の仕方)、環境(家の状況)などに分けて考えると、問題の解決策が見えてきやすくなります。
工場の品質問題やサービス品質の改善にもよく使われる手法です。
FTAと特性要因図の違いを表で比較!使い分けのポイントは?
ここまで説明したFTAと特性要因図を、
わかりやすく比較表にまとめました。
ポイント | FTA(故障の木解析) | 特性要因図(魚の骨図) |
---|---|---|
分析の形態 | 論理的なツリー構造(AND・ORで接続) | カテゴリ分けした魚の骨型の図 |
分析手法 | トップダウンで原因を詳細に掘り下げる | ブレインストーミングで多くの原因を洗い出す |
主な用途 | 重大事故や複雑な故障の根本原因分析 | 品質問題や作業ミスなど幅広い原因把握 |
特徴 | 論理ゲートによる原因関係の明確化 | 原因の視覚的な整理と発想支援 |
使用者 | 主にエンジニアや安全管理者 | 現場スタッフやチーム全員 |
このように、FTAは原因の論理的関係を深く分析したい時、特性要因図は原因を幅広く洗い出して整理したい時に使い分けると効果的です。
両者をうまく組み合わせることで、問題解決の精度がぐっと上がりますよ!
ピックアップ解説
FTAの中でも特徴的なのが、原因の関係を"AND"や"OR"という論理ゲートで表現することです。これはまるで電子回路の論理回路のように原因同士の結びつきを明確にする技術。意外かもしれませんが、この論理的な整理のおかげで複雑な問題も原因がどこかを探しやすくなります。中学生に例えるなら、“テストで点が悪かったのは勉強時間不足AND問題の理解不足”など、どちらも揃った時に問題が起こると考える感じですね。