
自由貿易協定(FTA)とは?基本を理解しよう
自由貿易協定(FTA)とは、国と国が互いに関税を引き下げたり撤廃したりして、商品やサービスの貿易をしやすくする取り決めのことです。
この協定によって、参加国どうしでは貿易が活発になり、輸出入のコストが下がるため、消費者も安い商品を買いやすくなります。
例えば、日本と韓国が自由貿易協定を結べば、韓国製の車や電子製品の関税が減ったりなくなったりして日本で買いやすくなり、逆に日本の農産物や製品も韓国に安く輸出できるようになるのです。
自由貿易協定は国ごとに交渉され、ルールが少しずつ違うため、参加する国それぞれの条件に合わせた内容になります。
関税同盟とは?自由貿易協定と何が違うの?
一方で、関税同盟は参加国が自由貿易協定のように関税を撤廃するだけでなく、第三国に対して共通の関税率を設定し、外の国からの輸入品に同じ関税をかける仕組みです。
このため、関税同盟の中のどの国で輸入したとしても、同じ関税が適用されるので、加盟国間では物の移動がもっと自由になるのです。
つまり、FTAが国ごとに関税を緩め合う“部分的な協定”であるのに対して、関税同盟は全体でルールをそろえる、より一体的な協力関係であると言えます。
例えば、EU(ヨーロッパ連合)は代表的な関税同盟で、加盟国は輸入関税を共通で決めています。
自由貿易協定と関税同盟の違いをわかりやすく比較表でチェック!
ここで両者のポイントを表にまとめてみます。違いをつかみやすいですよ。
自由貿易協定(FTA) | 関税同盟 | |
---|---|---|
参加国間の関税 | 撤廃または削減 | 撤廃または削減 |
第三国に対する関税 | 国ごとに異なる | 共通の関税率を設定 |
貿易ルールの統一 | 部分的に異なることが多い | 統一されたルールを適用 |
一体化のレベル | 比較的ゆるやか | より強い結びつき |
例 | 日米FTA(仮定)、日韓FTA(交渉中) | EU(ヨーロッパ連合) |
まとめ:どちらを選ぶかは国の考え方や目的によって変わる
自由貿易協定と関税同盟はどちらも国際的な貿易をよくするしくみですが、
FTAは国同士が個別に関税を減らす協定で、
関税同盟は複数国が共通の関税を決めて、より強い結びつきを目指す協定です。
つまり、FTAは比較的ゆるやかで参加しやすく、関税同盟はより厳しく協力するイメージと考えるとわかりやすいでしょう。
国によっては、他国との後の連携状況や経済の状況を見てどちらを目指すか決めています。
このように自由貿易協定と関税同盟は違いがありながら、どちらも世界の国同士が助け合って経済を活性化する大切なツールなのです。
関税同盟って、実はただの関税撤廃だけじゃないんです。参加する国が『共通の関税率』を第三国に対して決めているから、一度どこかの加盟国に輸入された商品はその後の加盟国内では追加の関税なしに自由に移動できるんですよ。だから、関税同盟はFTAよりも一歩進んだ『経済の仲間意識』が強い協定と言えます。意外と知らないこの違い、深掘りすると面白いですよね。
前の記事: « 輸入割当と関税の違いを徹底解説!身近な例でわかりやすく理解しよう