はじめに:「委譲」と「継承」って何?
プログラミングの世界でよく出てくる言葉に、「委譲(いじょう)」と「継承(けいしょう)」があります。
名前は似ているけれど、意味や使い方は全然違います。
この記事では、この二つの違いを中学生でもわかりやすく、丁寧に説明します。
これからプログラミングを始める人や、基礎をもう一度確認したい人にぴったりです!
①「継承」とは?
継承は、「親(スーパークラス)の性質や動きを子(サブクラス)がそのまま受け継ぐ」ことです。
プログラムでよく使われ、似たような性質や機能をもつ複数のクラス(設計図)を効率よく作りたいときに便利です。
例えば、動物という大きなカテゴリがあって、その下に犬や猫があります。
「動物」が持っている「呼吸する」「歩く」などの基本的な機能を、犬や猫が継承してそのまま使うことです。
つまり、継承は親から子へ「同じものを受け継ぐ」仕組みだと考えればわかりやすいです。
ポイント:
- 親クラスの機能をそのまま使える
- 子クラスで新しい機能を追加も可能
- 親クラスの機能を子クラスで変えることもできる(オーバーライド)
このように継承は、プログラムの冗長(じょうちょう)さを減らすために重要です。
②「委譲」とは?
委譲は、「自分自身ですべてを処理せず、他のオブジェクト(クラスのインスタンス)に仕事を任せる」ことを指します。
英語では"delegation"といい、プログラミングでもよく使われる設計技法の一つです。
先ほどの動物の例で言うと、動物クラスが「歩く」という仕事を全部するのではなく、足クラス(別のクラス)に「歩いてね」と頼むイメージです。
つまり委譲は、一部の処理を別のクラスに「任せる仕組み」です。
ポイント:
- 他のオブジェクトに機能の実装を任せる
- 柔軟で変更に強い設計ができる
- 継承よりも安全で複雑さが減ることが多い
③ 継承と委譲の違いを表で比較!
ding="5" cellspacing="0">比較項目 | 継承 | 委譲 |
---|
関係性 | 親子(Is-a関係) 例: 犬は動物である | 部分的な役割分担 例: 動物は歩く機能を足に任せる |
実装方法 | クラスを拡張して機能を引き継ぐ | 別のクラスのオブジェクトに処理を依頼する |
メリット | コードの再利用が簡単 構造が整理しやすい | 柔軟性が高い 依存を減らすことができる |
デメリット | 階層が深くなると複雑になる 不適切な継承はトラブルの元 | 委譲のオブジェクトを用意する手間がある |
able>
④ どちらを使うべき?
継承と委譲は、それぞれに得意な場面があります。
どちらかが絶対に良い、ということはありません。
継承が向いているケース:
・性質がはっきり親子で分かれるとき
・基本的な機能を共通化したいとき
委譲が向いているケース:
・機能の切り替えや変更が多いとき
・複数の機能を組み合わせて実現したいとき
プログラミングでは「継承よりも委譲を優先しよう」という考え方(「継承より委譲」)もあります。
なぜなら、委譲のほうが柔軟でコードの変更がしやすいからです。
ただし、シンプルな階層構造ができているなら継承も十分に役立ちます。
⑤ まとめ
「委譲」は自分で機能を持たず、別のクラスに処理を任せる方法です。
「継承」は親クラスの機能を子クラスが引き継ぐ方法です。
違いを意識して使い分けることで、より良いプログラムが書けます。
プログラミング初心者は、これらの違いを理解しながら練習してみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ピックアップ解説「委譲」という言葉を聞くと、「誰かにお願いする」くらいの簡単なイメージが湧きますよね。
でもプログラミングの世界では、この委譲がとても重要で、コードの柔軟性や再利用性を高める秘密のテクニックなんです。
たとえばゲームのキャラクターが攻撃方法を変えたいとき、全部のキャラコードを変えるより、攻撃だけを別のクラスに委譲(お願い)しておけば、切り替えが簡単にできちゃいます。
こう考えると、委譲はプログラミングの「便利なお願い上手」と言えそうですね!
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