
DESと債権放棄って何?基本の意味を解説
まずはじめに、DES(Debt Equity Swap)と債権放棄(さいけんほうき)は、どちらも債務整理の方法ですが、まったく同じものではありません。
DESは、債務者がもつ債務(借金)を債権者が持つ株式に換える方法のことを言います。つまり、借金をお金で返す代わりに、その会社の株を受け取り、債権者が会社のオーナーになる手法です。
一方、債権放棄は債権者が債務者に対する債権の返済請求権を放棄すること、つまり、借金の返済をあきらめることを意味します。返済しなくてよくなるため、債務者にとっては負担が減りますが、債権者は損をする可能性があります。
両者は似ているようですが、DESは債権者と債務者の間で債務の形を変換する交換取引であり、債権放棄は文字通り債権者が儲け(債権)を捨てることです。
DESと債権放棄の違いを表で比較
下の表を見て、両者の違いをわかりやすく理解しましょう。
項目 | DES(Debt Equity Swap) | 債権放棄 |
---|---|---|
意味 | 借金を株式に変える取引 | 借金の返済をあきらめること |
債権者の立場 | 債権者が株主になる | 返済を受けない |
債務者の負担 | 借金が減るが株主が増える | 借金が減る |
経営への関与 | 債権者が経営に関与可能 | 関与なし |
適用例 | 企業再建や資本参加 | 債務整理や倒産処理 |
DESと債権放棄はどんな場面で使われる?使い分けのポイント
それぞれの使われ方は実は少し違います。
DESは企業が経営不振のときに債務の返済が難しい場合で、債権者が会社の株式を持つことで経営に参加し、企業再建を目指すときに用いられます。
例えば、ある会社が借金を返せなくなった時、銀行や投資家が債権を株に代えて経営陣とともに会社を立て直すことができます。
一方、債権放棄は経済的に苦しい債務者が借金の返済が難しい場合に、債権者が損失を覚悟で返済をあきらめるときに使います。
この場合、債権者は会社の株式を受け取らないため、経営に参加しませんが、借金の完済が不要になるため債務者は復活のチャンスを得られます。
つまり、DESは債権者が経営に関わるための手段、債権放棄は単なる債務減免の手段と言えます。
まとめ:DESと債権放棄の違いを押さえておこう
まとめると、DESは借金を株式に変えることで債権者が経営に参加し企業再建を目指す方法で、債権放棄は借金を返済しなくてもよいように債権者が債権を放棄することです。
どちらも債務整理の方法ですが、債権者の関与や企業の経営状況によって使い分けられています。
今回の記事を参考に、DESと債権放棄の違いをしっかり理解し、ビジネスや金融の知識を深めていただければ幸いです。
DES(Debt Equity Swap)は単なる債務整理以上に面白い仕組みです。
例えば、借金を株に変えるなんて聞くと専門的に感じますが、簡単に言うと“借りたお金のかわりに会社の持ち分(株)をもらう”こと。
これにより債権者は経営にも関わることができ、場合によっては会社の方針に影響を与えられるんです。
つまり、単なるお金のやりとり以上に、会社の未来を一緒に考えるパートナーになることができるのが、DESのユニークなところ。
普通の債権放棄よりも深く会社にかかわるタイプの債務整理と言えますね!
次の記事: 知っておきたい!抵当権者と担保権者の違いをわかりやすく解説 »