
貸倒引当金と貸倒見積高とは何か?基本の理解
まずはじめに、貸倒引当金と貸倒見積高という言葉について簡単に説明します。これらは会社やお店がお金を貸したり、売掛金が回収できなくなるリスクに備えるための会計用語です。
貸倒引当金は、将来貸したお金や売掛金が回収できなくなる可能性を予測して、あらかじめ準備しておくお金のことを指します。
一方、貸倒見積高は、債務者ごとに具体的にどれだけ貸倒れが予想されるかを見積もった金額です。
この2つは似ているようで目的や使い方が異なるため、しっかり理解しておくことが重要です。
貸倒引当金と貸倒見積高の違いを詳しく解説
貸倒引当金は企業が全体的に予想される貸倒損失に備えるための積立金です。全社的なリスクの見積もりとして計上されます。
それに対して、貸倒見積高は具体的な取引先ごとに分析して計算される、個別の回収不能予想額のこと。
この違いを表にまとめると、以下のようになります。
項目 | 貸倒引当金 | 貸倒見積高 |
---|---|---|
意味 | 将来の貸倒れに備えた積立金 | 特定債務者ごとの貸倒れ予想金額 |
計上方法 | 総社的に計上(全体のリスク予測) | 個別に計上(具体的な債務者別) |
目的 | 全体の損失をカバー | 個別の回収不能リスクの把握 |
使われる場面 | 決算時に全体のリスク管理 | 特定の不良債権の処理時 |
このように貸倒引当金は会社全体としてどれくらい貸倒リスクに備えるかというため、広い視点で計上されます。
逆に貸倒見積高は、ひとつひとつの取引先に焦点を当てて、実際に貸倒れが起きそうな場合にその金額を見積もるものです。
具体例で理解!貸倒引当金と貸倒見積高の使い分け
例えば、ある会社Aは100社に売掛金を持っています。
全体的に見て、そのうちの数社が貸倒れするリスクが高いと判断し、会社全体として500万円の貸倒引当金を作ることにしました。
一方、会社Bの1つの取引先が支払い不能の恐れがあり、その見積もり金額が200万円だとします。会社Bは貸倒見積高として200万円を計上します。
このように貸倒引当金は多くの取引先を含めて総合的に備えるもので、貸倒見積高は特定の取引先に対しての具体的な数値です。
それぞれの意味や使い方を間違えないように注意しましょう。
まとめ:貸倒引当金と貸倒見積高のポイントと違い
貸倒引当金と貸倒見積高は、どちらも貸倒れによる損失に備えるための数字ですが、
まず貸倒引当金は「将来の見込み貸倒損失のための総合的な引当金」です。
次に貸倒見積高は「特定の取引先ごとに見積もられた具体的な貸倒額」です。
ポイントは、貸倒引当金は全体的なリスクに備えるための数字で、貸倒見積高は個別の具体的な債権について計算される数字であること。
以上の違いを理解することで、会計処理や経営判断がより正確になり、企業の財務状況を健全に保つことができます。
貸倒引当金という言葉を聞くと、ちょっと難しそうに感じるかもしれません。でもこれは「将来、貸したお金の一部が返ってこないかもしれないから、備えておくお金」のこと。たとえば友達にお金を貸す時、全部戻ってくるか心配ですよね?企業も同じで、売掛金が回収できないリスクに備えて準備しているんです。
この貸倒引当金は、企業が持っている全ての売掛金に対してどれくらい備えればいいか、全体のリスクを考えて設定されています。ですので、細かい一社ずつの見積もりではなく、大きな視点で「だいたいこれくらいの損失が出るかも」と予測して積み立てる感じです。
だから貸倒引当金は、会計の世界で言う「リスクのための貯金」と覚えるとわかりやすいですよ!