
徴収不能引当金と貸倒引当金の基本的な意味
経理や会計に関わる言葉の中でも、徴収不能引当金と貸倒引当金は少しややこしいものの一つです。
簡単に言うと、どちらも会社がお金を回収できなくなるリスクに備えてお金を取っておく準備金のようなものです。
例えば、お客さんに商品を売って後でお金をもらう約束をした場合、そのお金が全部回収できるとは限りません。
そのリスクに備えて、あらかじめ会社は帳簿の中でお金を減らして計算します。
まずはそれぞれの言葉の意味を見ていきましょう。
徴収不能引当金とは?
徴収不能引当金は、会社がすでに貸したお金や請求した代金の中で、もう絶対に回収できないと判断した部分に対して費用として計上するお金のことです。
つまり、実際に「これ以上はお金を回収できない」と確定した金額に対して、会社が損失を見越して引き当てるお金です。
たとえば、取引先が倒産してしまい、返ってこない金額が決まったときに使われます。
ただし、実務では「徴収不能引当金」という言葉はあまり一般的ではないこともあります。
貸倒引当金とは?
一方、貸倒引当金は将来的に貸したお金が回収できなくなるかもしれないリスクに備えて計上する準備金です。
たとえば、まだ回収できているが、今後回収が難しくなるかも、という可能性を考えて、損失を少しずつ見積もりながら準備しておきます。
これは予測の段階であって、実際に損失が確定したわけではありません。だから「引当金」と呼ばれ、会社の安全な経営のためにとても大切な考え方です。
また、貸倒引当金には法定引当金(法律で最低積み立てが決められているもの)と任意引当金(会社が任意で積み立てるもの)があります。
徴収不能引当金と貸倒引当金の違いを表で比較
まとめ:両者の理解がなぜ重要なのか?
徴収不能引当金と貸倒引当金は似た意味で使われがちですが、「確定した損失か」「リスクを見積もる準備金か」という点で大きな違いがあります。
経理担当者や会社の管理者だけでなく、将来会社で働きたいと思う人やビジネスの基本を知りたい人にも覚えておいてほしい考え方です。
貸倒引当金を正しく積み立てておくことは、経営の安定や財務の健全性を保つために欠かせませんし、徴収不能引当金はそのリスクが現実になったとき、損失を適正に反映させて透明性のある会計を実現します。
この違いを理解しておくことで、会計のニュースや会社の財務諸表を読むときに「なるほど、こういう意味なんだ」と納得できるようになりますよ!
貸倒引当金は会社がまだお金を回収できるかどうかわからない段階でリスクに備えるための準備金です。
ところが、中学生から見ればちょっと不思議なのは、どうして会社は損失が確定していなくてもお金を減らしたり準備したりするの?という点です。
これは、会社のお金の計算がきちんとしていないと、いざというときに困るからです。
たとえば、将来回収できないお金が急に大きくなると、その会社はお金が減ってしまったことに気づかずに、無理な借金をしてしまうかもしれません。
だから、貸倒引当金は会社の安全策と言えますね。